サプライズ

「今日は特別だから」


付き合って3年目の記念日彼から渡されたのは潜水艦型のチョコレートだった。


何故潜水艦型なのかと思ったが、彼が好きなのだった。それにデフォルメされたコロンとした形はちゃんと可愛いし、ミキサー車やゴミ収集車でなくて良かった。


夕食の後でと思ったが彼が期待を込めた目で見てるので、チョコを手に取る。


中が空洞なのか想像より軽い感覚と、揺らしたせいかコトリと中の空間で何かが動いた音がした。


「何か入ってる?」


聞いても彼はニコニコと笑うばかりだ。覚悟を決めて中身を噛まないように気をつけながら端を少し齧る。


案の定中は空洞で、チョコをひっくり返して空いた穴から中身を掌に出す。掌に転がり出てきたのは


「指輪?」

「そう。指輪そろそろいいんじゃないかなって。どうだろう。結婚しない?」


嬉しいはずなのに、勝ちを確信したような顔でそう問いかける彼にどうしようもなく腹がたった。

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