第3話 島に潜む者

修也「俺とたかしは海辺でその赤い月を見ていた時、遠くからゆっくり走ってくる女の姿が見えたんだ」


修也「最初は、俺らと同じこの島を彷徨っている奴だとおもってた。」


修也「そしたら、たかしが大丈夫か?とかいいながらそいつに駆け寄っていった時に」


修也「その女が、たかしの首に喰らいついたんだ。」


修也「俺は一瞬何が起こったかわからずに、ビビったけど、すぐに助けに行こうとしたら」


修也「たかしの首、、、食いちぎられて、、、」


修也「その女、投げてきたんだぜ、たかしの首」


修也「その時、あいつの顔みたら、笑ってたんだ」


修也「俺、ヒビって、チビッちまったよ。」


修也「だって、その女の口の中、遠くから見てもわかるくらい鋭い歯がびっしり生えてて」


修也「そんなもの見たら、普通逃げるよな?」


修也「仕方なかったんだ、逃げるしか」


直哉「そんなことが、、、」


りな「、、、そんな」


直哉「でも、こう言ったら失礼かもしれないけど、逃げ切れたんだな」


修也「あぁ、あの化け物、足は遅いんだ」


修也「ジョギングしてるより遅い、だから逃げるのは簡単だ」


直哉「なら、遠くまで逃げればいいじゃん!」


修也「もちろん、逃げたよ、でもな、来るんだよ」


修也「かなり執念深く追いかけてくるんだ」


りな「逃げ切れないなら、そいつは今どこにいるのよ!?」


修也「あの化け物、日が出てきたらいなくなるんだ」


直哉「つまり、朝まで逃げ続けるってこと?」


修也「そういう事だな、かなりキツイぞ」


修也「体力的にも、メンタル的にも」


りな「そんなの、ありえない!」


修也「別に信じなくてもいい、今日の夜わかるだろうから」


りな「!?」


直哉「あのさ、そいつ殺せないのかな?」


直哉「3人なら、いけるんじゃないか?」


修也「悪いけど、俺はパス」


直哉「なんでだ?生き残るにはそれしか、、、」


修也「情けないが、あいつの顔見ちまったら、、、震えが、止まらないんだ、、、」


直哉「、、、なら、俺がやる」


りな「本気なの?今の話聞いたでしょ?!」


直哉「それでも、生き残るにはそうするしかないんだ!」


りな「それは、、、他にも方法があるんじゃ」


修也「それは、無いな」


修也「認めたくないけど、直哉の言うとおりだ」


修也「それ以外には方法はないだろう」


修也「俺みたいに逃げ回るしかな。」


りな「そんな、、、」


直哉「まだ、諦めるのは早い!」


直哉「罠を仕掛けるんだ!」


りな「罠?いいねそれ!でもどんな?」


直哉「単純にして最強の罠」


修也「落とし穴だろ?」


直哉「先にいうなよ!」


修也「単純だが、いいんじゃね?思いつかなかったよ笑」


修也「それなら、手伝うぜ!」


直哉「なら、さっそく掘ろう!」


りな「でも、道具がないよ?流石に手じゃ、、、」


修也「心配すんな、道具ならあるぜ、キリッ」


修也「あの、死体があった部屋にある」


直哉「なら完璧だな!笑」


直哉「いけるぞこれ!」


修也「久しぶりだな、この感覚、笑」


修也「この島に来て、最悪な事しかなかったけど」


修也「お前達に出会えたのは最高だ!笑」


修也「お前らは、俺の最高のダチだ!」


りな「カッコつけたな」


直哉「確かに、臭いな、笑」


修也「うるせぇわ、笑」



こうして、三人は落とし穴を掘り始めた。





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