第21話 淋しくないの?

「ね…」


「そういう世界になってきちゃったんだよ」


「でもさ、なんでこういう時にさ、好きとか付き合うとかになるのかな」


「だからそれは下心があるからじゃん。それが今だったらいろんなことがうまくいくかもって思ってるからじゃん。相手の気持ちに漬け込んで」


「あー!」


「相手の弱みもあるけど、ほんとに純粋に思ってる部分もあるんじゃないの。純粋にね」


「あー」


「純粋にあると思うよ、オレはね。そう信じたいじゃん」


「ん?」


「信じたいでしょって」


「うん。みんな淋しいんかな」


「誰かに頼りたいし、誰かと一緒にいたいんでしょ。だろ?」


「だよね」


「おまえ淋しくないの?」


「ん?」


「おまえは淋しくないのかい?って」


「私?」


「…なんだい、おまえは強いから大丈夫だろ?」


「うん、大丈夫だよ」


「ホンマかいなw」


「ふふふふ」


「あれ、おまえまだマスクあるんだっけ?」


「マスクね、こないだ買ったー」






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