第20話 コロナ禍のキャバクラ
「LINEでそんなのばっかり。で、思い出したよ。おにいちゃんが言ってたじゃん、女の人でさ、体売るじゃないけどさ、やってる人がいるよって言ってたじゃん。だからそれ怖いなって思って」
「いっぱいいるよ、話聞くと。身近にはいないけどね。飲んで歩ってた人が言ってたもん。店終わる前からすぐどっか行こうよって食い付いてくるんだよねーって」
「怖いよね」
「だってそうでしょ。生活かかってるんだから」
「私なんかおにいちゃんいるから別にあれだけどさ、いなかったらさ…。例えばいくらあげるからとか言われたら、怖いよ」
「でもそれはしょうがないよね。でもそれでしかできないから、他に収入の道がないから。どうするんだよ、NさんとかTちゃんとかさ」
「ほんとだよね。なんか聞いたけどさ、客層にもよるから、私のお客さんそういう人たちいないからさあれだけど。Nさんのお客さんすごいみたいだよ」
「だろ?ここぞとばかりに」
「そうそうそう。もうもうもう。私なんかみんな、頑張れ頑張れ、生きろ生きろ、みたいな、もーそんなんだけどさ。でも良くないよね。良くないと思う」
「でも生きるためにはしょうがないだろ」
「まーね、そういうことやる人もいるかもしれないけどさ、あんまり良くないよ。あんまりって言うか良くない」
「しょうがないだろ、だって。それが現実だから」
「うーん」
「おまえが望もうと望まなかろうと現実なんだよそれが。ね?」
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