第11話 セメダイン

「大好きだよ。オレのことはセメダインだから。隙間を塞ぐだけだからオレは。隙間を塞いでそれで用は済んじゃうから。だから、なんだろうね…。まぁ使い捨てができる便利な道具だよ、オレは。彼からしてみれば」


「うーん、ま、居心地いいんだろうね、なんでも聞いてくれるしね」


「うーん、困った時あれば、何とかしてって言えば何とかするでしょ。全部だってなんか問題あればこっちに押し付けてくるんだもん」


「そうなの?あ、だってそうだよね。Wちゃんのあれとかさ全部おにいちゃんに言うんでしょ?」


「そうだよ。ほーんとに疲れちゃうよ」


「ほんとだよね」


「まーね、

それで随分いろんなことは学ばせてもらったけどさ。スキルアップしてるからいいんだけどさ」


「そうだね、そうだね。そう考えればね」


「ま、いろんなね、知らない世界も見てこれたし、ね?」


「ね」


「でもこの時期福岡はありえねぇな」


「うん、この時期ちょっとそれはないわ。それを言えちゃうのがすごいわ」


「ねぇ。じゃあ、自分の部下に言えるかって言ったら言えないでしょ」


「でしょー!」



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