第3話 感染者

「いや、増えるよ、だから」


「増えるよね」


「どんどん増えるよ」


「うん」


「とんでもなく増えると思うよ」


「と思うよ」


「マジで」


「だってこっちの方の幼稚園もストップだもん」


「あー」


「働けない人の保証50パーだもん」


「あー」


「50パーだよ?」


「まーな。だってそんなに保証したら会社が潰れちゃうもんな、おそらく」


「そういうことだよね。人数も人数だから。私の行ってる保育園もさ、なんかもうできるだけ来ないでみたいな。お願いします、みたいな感じで手紙入ってたけど」


「そう言われてもね」


「ねー」


「いやー、ほんと人いないよ。どこ行っても」


「いないよね」


「びっくりするくらい」


「ほんとに。だって昨日テレビでさ、ちょこっとやってたけどさ、XXX市(地元)のXXX通り出てたのね。ガラガラだって。で、なんだっけ、なんとかっていう組合の人が『こんなXXX通り初めてですー』みたいなこと言ってたけど」


「いっときXXX通りもいろいろお店出したけどね。大変だな、こりゃ」




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