青年期
精神年齢=実年齢+20歳
さて、ここからやっと地獄のような少年期を脱し青年期に突入するわけだが、中学卒業後の人生はそれまでと比較すると、楽ではないがある程度自分で出来ることが増えた時期でもあった。
遅ればせながらやってきた青春というべきか、部活、アルバイト、そして恋愛も人並みに楽しめるようになるのだが、この青年期に特に思い入れが強かったのが、十歳年の離れた三男の存在である。
人生の大半を片親で過ごした弟は、ある意味私よりも辛い事が多かっただろうし、寂しい思いもたくさんしていたはずで、そんな彼に私はほぼ毎日会いに行っていた。
目に入れても可愛くないと本気で思っていたし、一人息子のように溺愛していた。
どうか自分のように人格がひん曲がってしまわないように、これ以上辛い思いをしないように、私が与えられなかったものは弟に与えてやり、部活がない休日にはアルバイトで稼いだ映画に連れてったり、誕生日には欲しい玩具をプレゼントしたりと、弟が喜ぶ姿を見るのがなにより自分の喜びとなっていた。
それは彼が専門学校を卒業する進むまで続き、成人式を迎えると一人息子を育て上げきったような気分になったものだ。
なので、独身ではあるが既に子育ては終了してると勝手に認識している。
さて、本題に戻るとしよう。
中学三年になると、とうとう受験シーズンとなるが、私は特に受験勉強に本腰を入れることもなく自宅から自転車で十分程度で通える、そこそこサッカーが強い不良がいない高校を選んで受験して合格した。
倍率が低かったもんだから当然受かって当然なのだが、校則が割りと厳しめにも関わらず、その年だけ何故かヤンチャな一年生が集まってしまったのだ。
まさに晴天霹靂。平和な学校を選んだはずなのに。
一学期が始まるとそうそうに学校内外で問題行動が起り、他校にまで火の粉を飛ばすものだからなんと授業中にも関わらず校門前にバイクで乗り付けられることも度々あったなぁ。
まぁ、私は「あ、ゼファーだ」と思う程度にしか思わなかったが、見て見ぬ振りをきめる先生方の代わりに一人で穏便に済ませるようネゴシエーター役をかって出たこともあった。
いや、警察呼べよ先生方。
一年の夏になる頃にはそういうヤンチャな同級生はほとんど退学処分となって本来あるべき平和が訪れるわけだが、それまでなんやかんや校内の面倒事を解決してきた私は、いつの間にか厄介事を任せられる損な役割となるのだった。
私の人生にはなかなか平穏は訪れない。
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