閑話

 暗い話が続いたので話題を変えよう。

漫画の話などいかがだろうか。


 誰しも漫画にのめり込んだ経験が一度や二度はあるだろう。

 九十年代といえば、今でも連載が続いている「名探偵コナン」や「ワンピース」など、漫画の枠に留まらない作品が綺羅星の如く登場した時代でもあった。

少年ジャンプが輝いていた時代でもある。


 私は今でも漫画が大好きだし、これまで読んできた量は計り知れない。そのなかに、特に印象的な漫画があるので紹介したい。


疾風かぜ伝説 特攻ぶっこみの拓」


 タイトルを見て、率直に「ナニソレ?」と感想を抱いた読者がほとんどだと思う。

 はっきり言ってタイトルはダサいし、現代の感覚では中二病と捉えられかねないタイトルだが、昔は格好良かったのだからそんなこといったってしょうがないじゃないか。(えなりかずき)


 物語の内容をざっくりぶつ切りに説明すると、暴走族の抗争の話だ。

 勘違いから県下で有名な底辺高校に入学してしまった主人公の浅川拓が、持ち前の運の悪さで様々な喧嘩トラブルに巻き込まれていくのだが、それはもう喧嘩の描写がエグいエグい。

 喧嘩というか殺し合いだ。

 ていうか死んでね?とツっこんでしまいそうになるほどの大怪我を負ってるにも関わらず、翌日はギブスをはめて普通に登校してくるものだから、きっと自然治癒能力が半端じゃないのだろう。


 少しでも気になった方は一度読んでみることをお勧めする。続編はあるがこちらは特にお勧めしない。

 


 なんで漫画の話題を取り上げたのかというと、特攻の拓に登場してくるが物凄く格好良いので知ってもらいたいからだ。

 銀髪、褐色、赤い瞳、クォーター、エレキギター使い、バタフライナイフ使い、一匹狼、実家死の商人、キリスト教徒、ミドルネーム“セロニアス”、別命“龍神”……と、まぁ他のキャラと比較して属性増し増してんこ盛り感が否めない。それに恐らく喧嘩最強のチートキャラ。


 不安定な精神状態の持ち主で、突然宮沢賢治の詩を口ずさんだりするヤバい一面もあるが、明らかに作者が一番力を入れたであろう彼のカリスマ性に、当時喧嘩とは無縁だった私は一瞬にして惹かれた。

 アイツがたまたま買ってきた単行本に描かれていた天羽時貞は、すぐさま私のヒーローとなる。

 喧嘩をする度胸もなかったし、ギターもナイフも手にしたことはなかったが、孤独な天羽にどこか合い通ずるものを感じ、いつしか彼のように強くなりたいと願った。

 


 彼の火の玉のような生き方に強く影響された訳だが、もしかしたらあなたも影響を受けた漫画のキャラがいたりするのではなかろうか。

 そんな話があれば是非聴いてみたいものだ。

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