第5話しあわせの毎日
それから一年が経過して私は7歳になっていた。
この一年間もひたすら火魔法を練習した
今日は近くの山に来ている
ここは鉱山跡地で、私は色んな所に落ちているウラム鉱石を拾う
正確にはその成分が含まれた石を鑑定で見分けている
それを大量に集めたら、岩で作った鍋の中に
私の火魔法で鍋の形に成形した中にそれ等を放り込む
んで、火魔法
かなりの高熱を発するが、火魔法の結界で断熱が出来る
この1年で色々出来るようになったからね
この位は出来ないと自らの火魔法が生み出した熱とかにやられるし、てかやられかけたし
今では私の衣服にその魔法で耐熱、防熱効果も与えれる様になってる
火魔法に寄るエンチャントである
少しすると、鍋の中の石はドロドロに溶けて溶岩の様に出てきた
その中からウラム鉱石だけを取り出して、冷やす
これで出来上がりだ
取り出し方を確立させるのは大変だったけど、岩が燃える方が早いと気付いてからは微妙な温度調整でウラム鉱石だけが残る様にできるようになった
ここまで来るのに半年はかかりましたよ……
てゆーかウラム鉱石、結構高価なんだよね
父ちゃん普通にポケットから出てたけど私のお小遣いで買えるような値段じゃ無かったし
まあ再利用は幾らでもできる物だから手に入れたら幻術使いまくれるけど。回収できればね
そんで、私は今まで何度も繰り返して手に入れた、数十個のビー玉みたいにしたウラム鉱石を腕輪にしておく
パッと見ただの数珠、てかおしゃれな腕輪みたいに見える
でもこれが幻術使うには必要なのだ
幻術とは詰まるところ火魔法の延長みたいなもの
紫色の火、これに秘密がある
触媒なしでも使えるけど、触媒があれば魔力なしで維持が可能になるのもデカい
目に見える景色の改変だったり、重いものでは精神に作用する
要は見せたいものを相手に見せることができるのだ
父ちゃん、兄ちゃんは狩りに使う
獲物を見つけたら、自分達を見せなくしたり
または岩とか木に自らぶつかる様に誘導したりする
だから獲物さえいれば安定した狩りができてたんだね
ただ相手の精神力が勝ったり、幻術だときずかれた場合は破られる
触媒があれば、それくらいでは破れない
まあ、私も半年の間ウラム鉱石の入手だけじゃなくて色々としたけどね
あ、ちなみにナツ兄ちゃんはなんか成人したとかで家から出て独立しました。
14歳で成人なのは、狐族だからみたい
ほかの種族もだいたい13歳から16歳の間には成人するんだとか
ちなみに人間とかだと16歳なんだってさ
まあナツ兄ちゃんも今はまだ同じ街に住んでるから、会いたい時にはいつでも会える
ちなみに仕事は、ハンターをしてるから父ちゃんはだいたい毎日会うみたい
でも14歳までに狩りとかのやり方全部教えられるとか結構スパルタだよねー
ちなみに学力。数の数え方とか、簡単な読み書きくらいは近所のハンスさんって熊みたいな人に教えてもらえる。熊族?って聞いたら黒猫族だと言われた。解せぬ
おお!そうそう、友人、できました!
そのハンスさんとこで知り合った、シロンっていう鬼人の子供!
シロンは赤い髪の女の子で、私のひとつ上なんだ
2つ小さな角が頭に生えてる
結構最近引っ越してきた鬼族一家、うちと良いお付き合いさせてもらってます。
むこうの家族は娘二人と父と母の四人家族である
「ねえハルちゃん、今日もあそぼ?」
「う、うんいいよぉ‥‥」
戸惑ったのには訳がある
「えへへ、じゃあ、はいこれ。木刀」
そう言って手渡される木刀…
どうやら向こうのお父さん、剣術の先生らしくてそれで娘もこの有様なわけです。
ちなみにシロンちゃん、めっちゃ強いです
天才か?と思う。もしかしてチートもち?
岩を剣で真っ二つにしたとき死ぬって思ったね…
私は魔法系なんで無理だと思ってたんだけど、向こうのお父さんが筋がいいって言ってくれたから…
それでシロンちゃんが本気になったってのはあるかもしれない
以来、結構な頻度でこうやって誘いに来るようになった
まあ打ち合うときはめっちゃ手加減してくれてるみたいだからいいんだけどねぇ
それ以外は全部指導みたいにして教えてくれる
お父さんのマネなのかな?まぁ師匠と弟子ごっこ、みたいなもんです
特典てんこ盛りの中に剣術でもあったらよかったんだろうけどねぇ…ぜんぜんなさそう
よくあると思うんだけどなぁ…
ま、体力つけるいいきっかけと思って頑張るかー
◇
それから三年
私とシロンは今でも仲良しである
10歳になった私は、庭の菜園で薬草とかを育てつつ、狩りをしている
ナツ兄ちゃんは冒険者になって、街を出た
結構強いらしく、時々その名前を風のうわさで聞くようになってる
フユ姉ちゃんはなんとお嫁に行きました
狐族の里の、族長の息子ってのと結婚した。優しそうな人だったから、安心はしてる
早く赤ちゃん見てみたい
んで、私は父ちゃんの後を継いでハンターしてる
色々と狩のやり方を教えて貰えるので、すごい為になってる
けど、父ちゃん…なんか王宮の騎士団にレンジャー顧問として呼ばれてて、最近はずっと留守してる
「ハルちゃん、そこ、きてる」
ひそひそ声で、シロンちゃんが言った
そう、私はシロンちゃんと狩りをする様になった
と言うのも、そもそも私の父ちゃんが顧問とかで呼ばれてる背景にはシロンの父、ゴンザエモンさんの紹介だってのがある。そんでゴンザエモンさんも騎士団の剣術顧問で常に不在にしてる
んで、シロンは妹と母と悠々自適……に、暮らしてたんだけど
私は強くならなきゃいけないから自らハンターになった。それを見たシロンちゃんが着いてくるようになったんだよねー
「はいよ。いるね、ボアだ…大きい」
シロンちゃんはマジ武闘派。しかも天才
それが山や森に入る事で色々覚醒した
今や気配察知は私より上だ
「紫炎…」
昔の私は、必殺技を叫ぶなんてーとか言ってたけど、間違いでした
今では魔法名を言う事で発動出来るように頭の中が最適化してる
スイッチみたいなものだろうか?プログラムが走るように、私の魔力がそれを形作る
遠くにいるボアが、叫び声を上げてコチラに走ってくる
そこに、すっと立つシロンちゃん
走ってくるボアの前に立ち塞がり、ずっと目をとじる
私はそんなシロンちゃんの姿を幻術でボアから隠す
本来であれば、岩とかに誘導して頭をぶつけさせるんだけど……
「一の太刀……刀影、絶刀」
パチン、シロンちゃんが刀を収める
ずるりと、ボアは、真ん中から割れてそのままシロンちゃんをすり抜けるようにして走り、ばたりと倒れた
「ふう……」
「はあ、さすがシロンちゃん。綺麗な太刀筋だね」
「ありがと、でもハルちゃんももう出来るでしょ?」
「あー、私だと多分綺麗に分かれてくれなくてそのままぶつかりそう」
「そう?まあ二手に割るのもテクニックがいるからねー」
私もイヤイヤしてた剣術修行だけど、いつの間にか結構上達したんだよね……はは……
こんな感じで二人でいつも狩りをする様になった
最近はもう慣れすぎて剣術修行も兼ねるようになってたりする
私はこのまま…こんな生活が続けばいいなあと私は思っていた
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