第4話空が飛べるはず?
魔法で作った火ー
魔力が燃えてるのかよく分かんないけど、ものすごく柔らかい。
まあ、燃えてるものが空気みたいなもんだからか知んないけど、質量みたいなのがあまりないんだ
だからファイアー!みたいな魔法のイメージで対象物にぶつけても、ふんわり燃えうつるだけなんだよね…
でもそれはきっと私の力量不足だと思う
魔力をガンガンに圧縮して加えていけばぶつかるだけで大爆発!みたいな魔法になってくれるはずだ
そんな訳で、今日も朝の薬草採取が終わってからひとり遊び……ならぬ、ひとり修行です
友達がいねえとか言ったやつはしばく
たまたま居ないだけなんだから!姉ちゃんや兄ちゃんには同世代の友達が居るのに、なんか私の世代は少ないんだよねー
まわりに赤ちゃんは結構いるけど、私の世代……
おっと、気を取り直してやりますか!
火の魔力圧縮
大きさはピンポン玉くらいで固定する
それにどんどん魔力を追加する
イメージとしてはホースが繋がってる感じ
すると赤色の火が青くなって……どんどん明るくなっていく
白っぽくなったら出来上がり
コレを岩にぶつけて見た
ドゴウ!ぅぅぅん!
目標の岩が粉々に飛び散る
私はほかの岩陰に隠れて音だけで判断する
「よっし、成功ね!」
これで所謂、ファイアーボールの出来上がり!
見れば岩が粉々っていうかクレーターになってた
やりすぎ感あるけど、最低こんくらいの威力は必要だよね?
あとはコレを瞬間的に大量に、スムーズに作れるようになれば…
あとは……この火は私は熱くない
それを利用して、空が飛べないかなーと思った
推進力として利用できないかなと
風魔法の方がやりやすそうだけど、私は使えないし……
そうして試行錯誤していたんだけど、まあ、ことごとく失敗する
浮き上がる事すらできない
燃えるもの、無いしねえ……
履物の裏が焼けてしまうから足の裏はヤバいし
翼型に成形して背中に生やすみたいなことも、服が燃えるから無理
火無効の衣服とかないと無理だよねえ
てかそんなもんがあったら火魔法なんてただの約立たずだけど
色々考えてながら、私はぽっぽっぽっとファイアーボールを生み出していた。
それをグルングルン回したり、矢のようにしてファイアアローとかって動かしていてー
あ、思いついた
これに乗って移動すりゃいいんじゃね?と。
物は試し、私は靴を脱いで四角く成形し、かつ質量を持つまでに圧縮した「黒い四角い火」に乗る
うん、ほんのりすら熱くないし、足裏にはなんかある感覚はある。
「よし、これで…飛べた!」
両足だけだとバランスが取れないので両手にも同じものを出して掴んでいる
おおお!
予想外!思ったより全然快適に飛べる!
私は真上にギャンギュン登っていく
雲を突き抜け…あ、なんかやな予感するから雲はやめとこ……なんか水蒸気爆発とか頭によぎったわ
それから左右にギュンギュン飛ぶ
「あはははは!って風強っ!やばいくらい強!」
うーん、空気抵抗……ゴーグルほしいわ。服屋さんにあるかな?
かなり遠くに来てしまった
空気が、少し冷たい
びゅうびゅうと風が吹く
景色を眺めていると、住んでいる街が小さい豆粒になっているのが不思議だった
視界の向こうに、きらりと何か光ったきがする
ん?なんか空飛んでる?
大きな鳥?
見てると、それはどんどんとコチラに寄ってくる
すごいスピードだ!
おおおおお!?で、でか!鳥じゃない!?ドラゴン!?
それは黒い竜だった
あまりの驚きに一瞬操作がおざなりになってしまう
「にゃあああああ!?」
きりモミするように飛んでしまって、私は墜落しそうになる
ヤバい、大怪我しちゃいそう!
集中、集中!
ふわり
あっぶなかった、なんとか止まれたー
地面スレスレである
上を見上げれば、先程のドラゴンが白い雲を引きながら何処かに飛んでいくところだった
「でっかいなぁー。あんなのも居るのかぁ」
きっと私は目をキラキラさせていたに違いない
しかしあんなのに目をつけられたら今の私はすぐ死にそう。もっと強くならないとねー
志は高く持たないと!
でも怯えた私は低空飛行で街へと帰って行きました
さすがに空に居たら目立つもんねぇ
とりあえず、「私」強化計画は順調と言える
攻撃、移動手段
着々とすすんでる。と、思ってる
未だに鑑定以外のチートは分からないから、出来ることしていかないと!
◇
それから一年、私は6歳になった
一年間みっちりと火魔法は研究してきたつもり
あと、家の家庭菜園ってか、薬草畑は順調
最近ようやく定期的に薬草が採取できるよーになって来た
でもそれで困った事が。
「あのねえ父ちゃん、どうも薬草、誰かに盗られてるみたいなの」
そう、畑泥棒である
「そんな悪いやつ、この街にも居たんだなぁ。と言うか街のもんじゃないかもしれんか」
「うん、裏のやつが薬草って普通はわかんないはずなんだけど……毒草も混ぜて植えてるのにちゃんと薬草だけ採って行かれてるの」
「よっしゃ、父ちゃんに任せとけ!なんとかしてやる」
「ほんと!?なんとかなるの?」
「ああ、幻術結界をかけてなんも生えてないように見せるだけだが、効果はあるだろう」
きました、幻術!
父ちゃんも兄ちゃんもなんも教えてくれないんだけど、これは目で見るチャンスね
2人でとことこと裏に行くと、父ちゃんはポケットから石を取り出した
すかさず鑑定すると、ウラム鉱石と出た
魔法の触媒、とある
それを畑の四隅に埋め込んで、父ちゃんは火魔法を使かう
うすーい、紫の火だ
それを四隅の石に飛ばすと、目の前の畑が消えた
「と、父ちゃんなんも無くなった!」
「あはは、これが幻術だ。この石を動かしてみろ」
そう言ってさっきの石を指さすので、ひょいと取ってみると
「あ!見えた!この石、戻したらまた消えるの?」
「ああ、あとで石を動かさなくても見える方法を教えてやるからな」
そう言って父ちゃんはにかっと笑った
父ちゃんカッコイイ!
そして、幻術の仕組み、きちんと観察…いや、鑑定させて貰っちゃいましたけどね!
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