第3話薬草わざわざ摘まなくてもよくない?そして火魔法をたしなむ乙女

さすがです。鑑定は有能である

まさに鑑定さんと言わざるを得ない



なんと薬草の育て方まで教えてくれた


私はうちの裏にあるスペースをガンガン掘り返して畑を作る


クワはなかったけど私には爪があるからね、サクサク掘れましたよ…爪の中にめっちゃ土入って痛かった……


そこに今日採取してた薬草、その中に花が咲いてる物があって、その花を植えてゆく


実はこの花、種になる様なのだ

元々採取する時にはらりと、落ちてしまうんだけど、それを少しばかり集めておいた


これであとは水をやれば良いらしい


上手く育てば採取が楽になるハズである



ちなみに今日の採取は午前中で終わっている

私がガンガンに採取したからね、採りすぎくらい取ってやりましたよ!



姉ちゃんにめっちゃ驚かれたけど明日から毎日だからね!楽しちゃってよね、姉ちゃん



で、時間が出来た私は畑をサクっと作った

泥だらけだけど子供だからいいよね

クワは借りたらあるけど、私の背丈じゃ使えないし




次は鑑定で何が出来るか確かめる


ステータスの使えない私、獣人

だったら……自分で自分を鑑定して見れば良いのではと思った訳ですよ。私天才じゃね?




てことで、やって来ましたよー!


近所で鏡があるのここしかないんだよねー


服屋さん




「ミリアさーん!ちょっと鏡みせてー」


そう言って中に入る

ミリアさんは年齢不詳のエルフだ、めっちゃ美人さんでファンの人も多い

私も優しいから大好きである


「あら、どうしたの?オシャレに興味でたの?」


「ううん、ちょっとね!」


鏡の前に立ってから言った


「鑑定」


朝と同じように、淡く光る


すると辺りに一斉に文字が現れた


やば、まわり全部鑑定みたいになってる!


ミリアさんを見るとそこには



ミリア・リンレム

種族 エルフ

年齢 158

特技(スキル) 水・風 属性魔術、弓術(達人)


おおお、色々見えるねぇ……年齢みてしもた。黙ってようか…158歳…


おっとそうそう、自分見なきゃね


そう思って鏡をみるとちゃんと自分が映し出されていた


ハル (井上はるか)

種族 狐人

年齢 5+16

特技(スキル) 火属性魔法・幻術 ……他鑑定不能


見えた、けど知ってる事以上の事は分からなかった

うーん…まだ鑑定レベルが低いのかな?

他鑑定不能ってあるし、多分貰ってるチート群の気がする


これからどんどん鑑定は使っていこうと決めた








翌日からも朝から姉ちゃんと山へ採取に出かける


採取したものは綺麗に洗って纏めたら姉ちゃんが何処かに売りに出かける


どこに行くのか聞いたところ、冒険者ギルドらしい

そこで、買取が行われているのだとか

日によって値段はまちまちだけど、私たち家族が食べて行けるには十分な金額になったらしい


それもまあ、私が鑑定発動させて凄い量を採るからみたい


金額はなんと父ちゃん達の獲る獲物の利益を超えるというのだから驚きである


薬草、舐めたらあかん

一番買い取りの高いのは毒消しに使える物だった



増えた分はちゃんと貯蓄しないとねってことで、ギルドに預けてある



ギルドは銀行みたいな事もしてる便利施設

私、覚えた。かしこい



一通りの私に与えられた仕事を終わらせると自由時間

まだ子供だからねー

姉ちゃんは換金したあと市場の八百屋さんで働いてる




私は姉ちゃんが出かけると、1人でこっそりと火の魔法を使う

魔法と言っても師匠はいないから独学です



父ちゃんから聞いた火魔法、私の属性が理解出来たときに色々試して出来るようになった


火を付けるつもりで魔力を動かして外に向けるとそこには火が付いたのだ


どうやら魔力そのものは体外に出せないけど、属性が付いた魔力はそのまま出せたってか火が出るんだけど



体外に出た火はそのまま私の意思で動かせた

なんか体の中で魔力を動かしていたのと似ているので無駄では無かったと……思いたい


2年も無駄にぐるぐるさせていたんなら少しくらいは意味があったと思いたい



目の前に生み出した火


それをいろんな形に変えてみる


鳥にしてみたり、猫にしてみたり

簡単に燃え尽きる様子はない


なるほど、これが魔力によって生み出された火


燃焼とは違う


木の枝に燃え移らせてみた所、普通の燃焼を始める

そして木の枝は燃え尽きる


自分で触ってみても、熱くないというか何も感じない…不思議だ



ちょっと出来心で飛んでいる鳥にぶつけてみた


一瞬でぶわりと燃え上がり、そのまま落下してきてしまった…南無…

これはおやつにするしかない。焼けてておいしいです



火の大きさは注ぎ込む魔力で変わるようだ


出したら火を広げていくとどんどん薄くなり、燃えているという感覚がなくなった瞬間に消えた


色々と魔法については試してみることが重要なのかもしれない

なにせ、私は火の魔法しか使えないようだからだ


「うーん。やっぱ詠唱よりも無詠唱よねぇ。実際技名叫んで相手に気取られるとかアホですし」


見栄えはいいのかもしれないけれど

そうだ、いくつ火を出せるんだろう?



まずは一つ


ぼっ


うん、いい感じの火だね。野球のボールよりも少し大きな火の玉


二つ目…は、発動しない


出せるのは一つ?


ふと思って、出した火を二つに分けてみる


ぼぅ…


出来た


なるべく大きな火を出して、分割してみる?


いや、ちがう。そうじゃない、火を出しながら分割すればいい


ぼっ ぼっ ぼっ ぼっ ぼっ ぼっ ぼっ!


うん、いくらでも出せる

そしてバラバラに思ったように操作が出来るね


火を出し続け、出た端から分割させる


一度それを止めてしまうと次は出ない。気を付けないと


癖になるように練習しようかなー






「きゃぁぁ!ハル!!!」


叫び声のする方をみると姉ちゃんが両ほほに手を当てて叫んでいた


「え!?姉ちゃんどおしたの!?」


私がそういうと、姉ちゃんは真っ青な顔で言った


「だ、大丈夫なのそれ…」


気が付くと私の周りにはリング状になって私の周りをぐるぐると回る火・・いや、炎が幾重にも回っている


それは赤色ではなく、青い炎になっている

高速回転をさせながら、魔力を注ぎつつ火を圧縮し続けていたらそうなった


今その輪は5つになっている


「うん、大丈夫だよ。私が出してるから」


そう言ってパチンと火を消す


消してみると足元には幾重にも火の輪の跡が出来ていた

なかなかの熱量だったみたいだ



「す、すごいんだねハルは。私火の魔法なんて、ご飯作る時しか使わないから…」


おおう、普通の女の子ってそんなものなのかな


その後は姉ちゃんに質問攻めにされたけど、やり方を教えたら姉ちゃんも出来たからこれはチートとかじゃないんだろう



しばらくは火魔法を極めるように頑張ろう

幻術は…よくわかんない

父ちゃんと兄ちゃんはそれで狩りしてるって聞いたのでもう少し大きくなったら連れてってもらおう

そんで教えてもらうんだ

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