第2話チートと言えば鑑定、ステータス!

おぎゃあと産まれてはや五年


なんと言いますか、まあ少しづつだけど考える速度が上がってきて最近ようやく生まれ変わる前に近い程度には考えられる様になってきたわけですよ


産まれた時の記憶なんて一切無いね。

赤ん坊の頃から魔力ねりねりして最強になるとか考えてたんだけどさー、ありゃあどーにもならんよ


頭ん中ぐわんぐわんしてるし目は見えないし、おなかすいたりとかやたら眠かったりとか忙しかったなー


1歳頃から色々知覚したり出来てたけど、あれは思考速度ほんと追いつかないんだよねぇ…


すんごいスローな感じ、わかるかなぁ?


「しかしそれも今日までなのですよ。なぜならば!ちゃんと喋れるようになってる!かまずに!」


そう、昨日くらいからだけどすらすら喋れるし頭の中もクリアになった気がするの

これで転生特典確かめたりできるってもんですよ

魔力とかについては三歳くらいからだけど、体の中に何かあるのが分かってた

だからなんかできたわけじゃないけど

四歳過ぎたころからそれは動かせることを確認してる


体外に出したりはできなかったけどねー


そして今!ついに色々試す時が来た…ふふふ


「んじゃ、行きますか…ステータス!」


ん?何も出ない。違ったか



「メニュー!オープン!ステータス!…あれ?こういうんじゃなかったんだっけ?」



色々と叫んで試してみるものの、一向にウィンドウは現れないし変化はない…なぜだろう


「おい、ハル。さっきから何してるんだ?」


「あ、おとーちゃん」


そう、私の名前はハル。前世のはるかと似てる

偶然なんだけど、春に産まれたからハルなんだって

あと兄弟はナツとかフユとかいる。安直だよねぇ

父ちゃんの名前はフォルって言う、家名みたいなものはない


「さっきから人間のマネしてんのか?」


「人間のマネ?」


「ああ、あいつらにはなんか窓に色々文字が見えるらしい。自分の強さとかスキルとかな。知っててやったんじゃないのか?」


「え、まってそれ聞いてない」


「わしら獣人には女神の加護ってのがないからなぁ」


頭をポリポリ書きながらお父ちゃんはそう言った

その頭の上にはピクピクと2つの耳が動いてる


そう、私は獣人の子供としてこの世に生を受けたのだ

狐耳をもつ、狐族に


「人間……だけ?」


「らしいなぁ。わしらには見えもしないからわからんのだがな」


おおおい!女神ぃ!特典発動してねぇんですけどお!?私ゃこれからどーすりゃいいの……


私が呆然としていると、心配になったのか父ちゃんは言った


「まあそもそもだ、わしらには加護は無くても生まれ持った力がある。人間なんかには簡単に負けねえから気にすんな」


「生まれ持った力?」


「おう、わかんだろ?」


いやわからんよお父ちゃん……

私がうんうんと唸っていると


「人間にはない筋力、あと固有能力だな。わしら狐族は火と幻術が飛び抜けて使える、狼族なら月齢で力が変わるが、月夜はとんでもなく強くなるからな」


ほほーう、なるほど

ならば火と幻術を鍛えるしかないね

今から出来ることしとかないといざ魔王が現れた時に対処できないもんね

もう既に5年経ってるから、あと10年……死なないために鍛えないとね





私の生まれた国は人口だと数万と言ったところ

狐族とか、まあ獣人と呼ばれる種族が多い

あとはまあ、エルフとかドワーフなんてのもいたりする、ガッツリとファンタジー


総じて、人間とは区別されて亜人と呼ばれてる


文明レベルとしてはよくある中世って感じだから、そんなに高くないんだ


それでも私の家にはランプもあるし、ベットもある、家にはすきま風みたいなものもないし、冬は暖房もあるから不自由はしてないかなー


まあ……お母ちゃんは死んだらしいから、顔は知らない。私を産んでくれたお母ちゃん、会いたかったなぁ


それでも私は元気にすくすくと育った

ってもまだ5歳だけどね


家業としてはハンターになるのかな?森に行って狩りしたり、採取したりが主な仕事

兄弟全員、5歳か6歳くらいからやってる


兄ちゃんの名前はナツ、12歳

姉ちゃんの名前はフユ、9歳

そんで私、ハル。


みんな優しくて頼りになる……


だから私は家族も守りたい、チートは無さそうだけど強くなろうと思ってる



「あ、ハル!今日からあなたも森に行くのよね。お姉ちゃんに着いてきて、薬草とかキノコとかの見分け方とか教えてあげるから!」


耳をぴこぴこさせたフユがそう言った

しっぽがふわふわと揺れてる。くっそ可愛い


「うん!姉ちゃんよろしく!」


私は姉ちゃんの手を握ると、街を出て森へと歩いていく

兄ちゃんと父ちゃんは狩りに行ってる

やっぱり男の仕事が狩りなんだろうか?私ももう少し大きくなったら戦闘とか覚えたいなあー


そんな事を考えているうちに、森に着いた


まだ太陽の光が差し込んでいて明るい

いく人もの人が歩いて出来たと思われる道を姉と手を繋いで歩く

採取した物を入れるための籠を姉ちゃんは背負っていて、そこに見つけた物を入れていくのだ


姉ちゃんは道端に生えてる草を抜くと私に見せる


「これがね、お薬になる薬草なの。ちゃんと根から抜かないと効能が減るらしいから根から抜いてね」


「うん!わかった!」


そしてもう一本草を見せる


「でね、これが毒草。よく似てるから気をつけてね、茎の部分がツルツルなのは毒草だから」


おおっと、そっくり過ぎ。これよく見ないと分からんやつだ

私は思わず口にした


「鑑定とか使えたら楽なのになぁ」


何とも思わず口にした瞬間、目の前に青い光がふわっと現れた


文字?日本語?


「薬草……ヨムコ草……」


「え?ハル名前しってるの?」


「こっちは、カドク草……」


分かる……鑑定、使えた……

チートはあったんだ!

女神様やるじゃん!ありがとお!


ヨムコ草


群生することは無い、効能として体力増強、傷の回復等があるが、微々たる物である

加工することでポーションが作れる


そう書いてあった


ようし、鑑定使えるなら話は早い

とりあえずガンガン薬草採って採りまくる!


そんでさっさと仕事終わらせて色々鑑定してみよう!

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