運ゲー要素が一つなくなりました。
「ルーレットがない…マジで?それほんとにオレカ?」
耳を疑った。本気で。オレカバトルの代名詞といえばルーレットなくらい、ルーレットは大事なものなのに…無くていいの?
「というかもともとそうだろ?ルーレットなんてCPU思考決定の公平性を保つための手段なんだから…この世界でそんなのあるほうがおかしいぜ?」
…お前あとでK○NAMIのお偉いさんに怒られても知らねえぞ。というか…この世界?ん?
まぁそれはそうとして、今は…本当にルーレットがないのか、試しに命令してみよう。
「マオタイは八卦天掌、零式はハドウホウ、ナタタイシは羅車をそれぞれお願い!」
「フン、参るがいい…万死に一生は得られんぞ!ぬぁはははははは!!」
「セイモンニンショウクリア、ロックカイジョ、ハドウホウ…キドウ」
「っしゃおらぁ!シメていくぜぇ!!」
おおおおおおおおお!!!!!すげえすげえすげえ!!!!なにこれ!?セリフ違くない!?超リアルになってるし!!臨場感やばい!!
しかもほんとにルーレットないじゃん!!!!
「基本的に、覚えることのできる技ならなんでも使えるんだぜ!ただ、スピードの行動順までかわったりはしねぇから、少しはやりやすくなったんじゃねえか?」
いや少しどころじゃないよこれ…というかさ、今すごいびっくりしてんのが…
「ハドウホウって俺の声紋認証がないと使えなかったんだ…」
「そこかよ…」
ガクッとずっこけるような動きを見せるパンドラ。いやビビるよそりゃ。カイスさん(ロボ零式の作成者)マジパないっす。俺ハドウホウなんて一回も言ってないのに、声紋認証システムなんて…よくそんなの作れたよね。
じゃあ、相手の出方をうかがいますか。
まずは思い出す。レヴィアタンはどんな技を使うか?
基本的にブレス攻撃が主流だが…物理技も覚えたはず。なので、恐らく…予想が正しければ…
「ハッハァ!馬鹿めぇ、ぬぁーっはっはっはっはぁ!!」
よし、初手たいあたり。読みは当たった。さっき身を大きく引いて、溜めるような動作をしていたなと思っていたから…たいあたりと読んだが、どうやらあたりっぽいな。
にしても…
「マオタイさん楽しそうですね…」
うん、みんなすごいイキイキしてる。ナタタイシなんか火尖鎗びゅんびゅん回しながらオラオラ言ってるし…
さて、二ターン目。ここは攻めよう。零式はそのままチャージしててもらうとして、マオタイに電影黒虎拳、ナタタイシには混天綾をオーダー。
「ぬぅん!貴君の名声、此処で尽きたりぃぃぃぃぃ!!!!」
「っしゃぁ!さっきはよくもやってくれたなぁ!このヘビ野郎がぁ!!お返しにコイツを喰らいやがれぇぇ!!!混天綾ぉぉぉ!!!!」
………二人ともノリノリすぎてこわい。
マオタイはいつの間にかバトルジャンキーになってるし…ナタタイシに至っては、セリフを言い終わるのに時間がかかって…技の出が遅れてる始末。
ただ、よく見るとマオタイの技の発動に合わせるためにあえて混天綾の発動にディレイをかけたようだ。なるほど、連携がとれたいいプレイだな…
…とかなんだか思ってたら、混天綾で見事にマヒったレヴィアタン、嫉妬の名声はむしろ尽きてほしいなぁなんて考えながら、三ターン目に突入。二人にはさっきと同じでいいよとだけ伝えておく。
「ぬぁーーーーっはっはっはっはぁ!!地に堕ち泥を啜る気分はどうだぁ!!!絶望はこの程度では終わらんぞぉぉぉ!!!!!」
「おいおい怖気付いちまったかぁ!?このくらい耐えてくんなきゃなぁ!!!」
…あのー、おふたりさーん?もどっておいでー?そんなキャラじゃないでしょー?
しょうがないから零式さん、二人に良識ある行動の模範を…
「ターゲット、ホソク。ザヒョウジク、セッテイ。キュウショ、カクニン。ソゲキジュンビ、カンリョウ。アッシュクロ、カイホウ。ホウシュツゴレイキャクシステム、ドウキカンリョウ。サーバーセツゾク…ハドウホウ、ハッシャ!カミヲナノルモノハ、タダチニセンメツサレヨ!スベテノゲンキョウヲ、ココデタツ!!」
引くほど早口でなんか言ってるんだけど。大丈夫?正義感に支配されてないかい?中学2年生かい?
あっ。
「ふん、つまらぬ。」
「よぅし、焼きヘビ一丁上がり!」
「スバラシクウツクシイサイハイノオカゲ、カンシャスル。ミゴト。」
え?もう終わったん?
「別にあいつらは数字だけの存在じゃねえからな、決められた体力を削らなくても、向こうが詰みだと思ったり力を認めたらすんなり終わることもあるんだぜ?」
ほへぇ…感情ってあるんか…モンスターにも…さっき確かにしゃべってたしな……
あれ?そういえば…
「あのさ、水路でこんなに戦ってバレないの?」
「何言ってんだ?さっきから海底神殿にいるの、気づかなかったか?」
言われて、周りを見渡した。
魚。
魚。
魚、魚。
魚、魚、魚。
「異世界転移できたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
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