第×004話 They arrived yesterday の yesterday が名詞になるらしい

( 文字サイズ『大』、フォント『ゴシック』を推奨します )


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 書き込みテストその4



昨日買ってきた『形容詞と副詞(開拓社)』の「まえがき」によると、

最新の(アメリカでの)英語研究では“They arrived yesterday”の“yesterday”は

『副詞』では無く『名詞』と考えられるようになってきているとのこと。


これはショックを受けましたね、私のこれまでの100年は一体何だったのだ!?


なんてあやうく七拾年後に叫んでしまうところでした。

という冗談はおいといて、読み進めてみたところ副詞では無く名詞と判定するからと言って SVM が SVC になるわけでも無く、つまりは、以下のように『副詞句に収まる副詞』では無く『副詞句に収まる名詞』と考えるようになって来ているとのこと。


 英:TheyS { nc } arrivedVi { vp } yesterdayM { 副詞 } .

   TheyS { nc } arrivedVi { vp } yesterdayM { 名詞 } .

 訳:彼らは昨日着いた


ここで問題です。一体全体こんなことを気にする英語話者はどれほど居るのでしょうか?

ちなみに(気にするべき人の筆頭格かもしれませんが)私はさっさと匙を投げました。

どのみち私の品詞判定はルミナス英和辞典(現グランドセンチュリー英和辞典)で行うというマイルールを決めて居て、これを外れると万万が一にも理由を聞かれた時の説明で「『(ルミナス)辞書』にそう書いてあったから」という最短な回答が出来なくなるからですね。


という冗談も置いておいて、ルミナス辞書から “yesterday” の例文を拝借しましょう。

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◎ p1n1 [*98]

 英:ItS { inp } rainedVi { vp } yesterdayM { adv } .

 訳:昨日は雨だった。

 【Hint】(inp) は「非人称のit」と呼ばれていて、天気・日時・非人称動詞の主語になります。


◎ p1n2 [*98]

 英:YesterdayS { n } wasVi { vp } SaturdayC { n } .

 訳:昨日は土曜でした。


◎ p1n3 [*98]

 英:WhereM { AdvINT } isVi  S { yesterday'spc newspapern  }

 訳:昨日の新聞はどこにありますか?

 【Hint】(pc) は「所有代名詞」で、“My / His / Mike's”と同じカテゴリになります。


◎ p1n4 [*98]

 英:HeS { nc } leftVi { vp } yesterday morningM { adj=n/n } .

 訳:彼は昨日の朝に出発した。

 【Hint】この例文の (adj=n)“yesterday”は「名詞の形容詞的用法」と呼ばれています。


『形容詞と副詞(開拓社)』より、解り易い副詞の例文も並べておきます。◎ p2n1 [*1]

 英:(A) TheyS { nc } almostM▶5 { adv } suffocated5,Vi { vp } .

   (B) TheyS { nc } almost suffocatedVi { adv/vp } .

 訳:彼らは危うく窒息するところだった。

 【Hint】形態素表記の際の悩みどころ、その1

  述語動詞の直前の副詞は直後の動詞を修飾しますが、それは文全体を修飾するのと同じ意味でもあると思います。


◎ p2n2 [*1]

 英:The articleS { ar/n } wasVi { vp }  C { almostadv incomprehensibleadj  } .

 訳:この記事はほとんど理解出来なかった。

 【Hint】SVC で補語の形容詞を修飾する副詞 "almost"


◎ p2n3 [*1]

 英:SheS { nc } almost always gets3,Vt { adv/adv/vs } itO { oc } rightM▶3 { adv } .

 訳:彼女はほとんどいつも正しく理解している

 【Hint】一番右の副詞 "right" は述語動詞を修飾するとしたパターン

  (1) "always" は "gets" を修飾している

  (2) "almost" は "always gets" を修飾している

  (3) "right" は "almost always gets" を修飾している


◎ p2n4 [*1]

 英:SheS { nc } almost alwaysM▶6 { adv/adv } gets6,Vt { vs } itO { oc } rightM▶6 { adv } .

 訳:彼女はほとんどいつも正しく理解している

 【Hint】一番右の副詞 "right" は動詞のみを修飾するとしたパターン

  (1) "almost" は "always" を修飾している

  (2) "almost always" は "gets" を修飾している

  (3) "right" は "almost always gets" を修飾している

  上とこの例文で最終的な解釈はどちらも変わらないと言えば変わらないかも


◎ p2n5 [*1]

 英: S { Almostadv▶3 all3,adj thear candidatesns  } failedVi { vp } .

 訳:ほとんどすべての受験者が落ちた。

 【Hint】形容詞&副詞が並んだ時の基本的な解釈の順番(これは基本です)

  (1) "the" は "candidates" を修飾している

  (2) "all" は "the candidates" を修飾している

  (3) "Almost" は "all the candidates" を修飾している


◎ p2n6 [*1]

 英:SheS { nc } read3,Vt { vp }  O { almostadv▶7 the whole book7,nP { ar/adj/n }  } in one dayM▶3 { pre+pO { adj/n } } .

 訳:彼女は1日でその本を全部読んだ。

 【Hint】"almost" が修飾するのは "the whole book" とのこと


◎ p2n7 [*1]

 英:AnnoyinglyM▶3 { adv } ,  3,mc { theyS { nc } hadn't leftVt { vp/adv/vpp } usOI { oc } any milkOD { adj/n }  } .

 訳:腹が立つことに、彼らは私たちに牛乳を全く残していなかった。

 【Hint】この位置の副詞は、主節全体を修飾します。

  どういうときに文全体を修飾するかの見分け方として、日本語訳で副詞句の訳が (A)一番最初、(B)一番最後、(C)一番最初と一番最後に来る場合、のいずれかであれば文全体を修飾すると考えて良さそうです。


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形態素マーカーの意味は一番最後にリストしています。

上記例文を印刷して色ペン等でマークしながら読んでいくと更に理解しやすくなります。

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■ 米語発音記号付き英文


◎ p1n1 [*98]

  Itɪt rainedreɪnd yesterdayjéstɚdèɪ


◎ p1n2 [*98]

  Yesterdayjéstɚdèɪ waswəz Saturdayˈsætərdi


◎ p1n3 [*98]

  Wherewɛr isɪz yesterday'sˈjɛstɝˌdez newspaperˈnuzˌpeɪpər


◎ p1n4 [*98]

  Hehi leftlɛft yesterdayjéstɚdèɪ morningˈmɔrnɪŋ


◎ p2n1 [*1]

  (A) Theyðeɪ almostˈɔlˌmoʊst suffocatedˈsʌfəˌkeɪtɪd

  (B) Theyðeɪ almostˈɔlˌmoʊst suffocatedˈsʌfəˌkeɪtɪd


◎ p2n2 [*1]

  Theði articleˈɑrtɪkəl waswəz almostˈɔlˌmoʊst incomprehensibleɪŋˌkɑmprəˈhɛnsɪbəl


◎ p2n3 [*1]

  Sheʃi almostˈɔlˌmoʊst alwaysˈɔlˌweɪz getsgɛts itɪt rightraɪt


◎ p2n4 [*1]

  Sheʃi almostˈɔlˌmoʊst alwaysˈɔlˌweɪz getsgɛts itɪt rightraɪt


◎ p2n5 [*1]

   Almostˈɔlˌmoʊst allɔl theðə candidatesˈkændədeɪts failedfeɪld


◎ p2n6 [*1]

  Sheʃi read過去過分 : rɛd almostˈɔlˌmoʊst theðə wholehoʊl bookbʊk inɪn onewʌn daydeɪ


◎ p2n7 [*1]

  Annoyinglyəˈnɔɪɪŋli theyðeɪ hadn'thˈædnt leftlɛft usʌs anyˈɛni milkmɪlk


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■ IPA & Jones 発音記号テーブル

https://agoandnew.com/tools_info/023_ipa_and_jones_table.php


※ 発音記号はいろいろなサイトから集めていますため、

  分りやすいように簡単な発音方法の説明を用意しました。

  ちゃんと英語の発音をマスターしたい方はこちらもどうぞ。


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■ 出典元一覧

[*98] ルミナス英和辞典(研究社)

[*1] 英文法大辞典シリーズ「形容詞と副詞」(開拓社)


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■ 形態素マーカー・一覧

(“▶”は修飾先・関連等を示します)

◆ C:補語 ◆ M:修飾語・副詞句/節 (名詞(句/節)以外を修飾) ◆ O:目的語 ◆ OD:直接目的語 ◆ OI:間接目的語 ◆ S:主語 ◆ Vi:自動詞 ◆ Vt:他動詞 ◆ mc:主節 ◆ nP:名詞句

◆ AdvINT:疑問副詞 ◆ adj:形容詞 ◆ adv:副詞 ◆ ar:定冠詞/不定冠詞 (the,a,an のみ) ◆ inp:非人称の it , 天気、日時、非人称動詞等の主語 (nc の代わり) ◆ n:名詞 ◆ nc:人称代名詞・主格 ◆ ns:名詞(複数形) ◆ oc:人称代名詞・目的格 ◆ pc:人称代名詞・所有格・所有形容詞(my, his, Mike's) ◆ vp:動詞・過去形

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■ 形態素(文型要素・品詞)表記方法について

ここに載せた英文解釈は様々な解釈法の内のひとつに過ぎません。このページでは『日本語訳に基づいて英文に形態素を振っている』ことにご理解・ご注意願います。

また、発音記号・文型判定・品詞判定等で間違いやおかしな点に気が付きましたらお知らせください。




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