第95話 プラネテス界隈

 きのうのことになってしまいましたが、ヤフーニュースでこんな記事を読んでしまいました。ご存じの方も多いと思いますが――


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 宇宙アニメ「プラネテス」に「何処が面白いんだ」 元JAXA専門家が猛批判……原作者「ボクの力不足」(JCASTニュース ビジネス&メディアウオッチ)


宇宙機エンジニアの野田篤司さんが2022年1月25日、宇宙を舞台としたSFアニメ「プラネテス」に対し「何処が面白いんだ」「実際に宇宙をやっているプロとして迷惑している」などとツイッターで批判した……。


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 ことわっておきますが、わたしは『プラネテス』のことはほとんど知りません。Wikipediaによると1999年からモーニングに連載、2003年に放送されたアニメらしいですね。当時、書店に並んでいるのを手に取った……でも、買わなかった記憶があります。


 さて、ヤフーニュースでも3000以上コメントを集めているこの「事件」。こういうことそのものは、創作をしたことのある人なら多かれ少なかれ体験する「創作あるある」だと思ってます。誹謗中傷でないにしても、創作に対して「事実と違う。気に入らない」といちゃもんをつける人は一定数います。そのひと(読者)がそう感じたことは、良いことでも悪いことでもないし、作者にはどうしようもないことです。結論として気にしないことが一番です。


 この元JAXA専門家という人のいい分もそう言いたくなる気持ちはわかるのですが、こういうよく知っている人が、創作のなかの正しくない所を見つけて指摘するっていうタイプのいちゃもんをちょっと分析してみると――その人が自分の専門的な知識をひけらかしたい――気持ちから発せられていることが多いです。そうであればこそ指摘された側は「カチン」とくるのです(苦笑 


 正しいことを言えばいいってものじゃない。


「正しいこと」や「ほんとうにあったこと」「良いこと」しか認めないなんて、そんな世の中はとてもつまらなくないですか? ヤフーニュースのコメント欄には、「これはフィクションだから」「指摘するポイントがずれている」などというコメントがたくさん寄せられていますが、多くの人は「プラネテスは面白かったし、この作品は嘘であってもいい。そんなこと批判するな」と思っているようなんです。


 嘘であってもいい。


 嘘や虚構の中に真実を見つけだす……創作を楽しめる人は、高度な知的遊戯に携わっている人たちなのだなあと感じたニュースでした。時事ネタはひさしぶり、考えさせられるニュースは面白いですね。ではでは。

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