第94話 鎌倉殿の13人

 NHKの見逃し配信、NHKプラスで観ることができるので、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を観ながら書いています。大泉洋さんが源頼朝を演じているのですが、おもしろい役者ですねえ。三谷幸喜さんの脚本は頼朝をとして描いていますが、大泉さんが演じるとこの嫌らしいキャラも愛すべき男となりますね。


 今回の大河ドラマは、うちの奥さんも「おもしろおもしろい」といって観ています。彼女はまつたくの歴史オンチで源平合戦についても、ほとんど知識はないと思います。戦国、幕末以外の時代は、一般にほとんど知られていないので、視聴率が取れるドラマにするのは難しいと思いますが、三谷幸喜さん頑張っていると思います。


☆☆☆


 カクヨムコンのあいだ、本を読む時間が取れず、積読状態がつづいていたわが家の本も徐々に読み進めています。


『荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで』(伊藤俊一 中公新書)


 11月に買った本ですが、やって読み終えました。おもしろかったです。この国における荘園の成り立ちから、発展、変容、解体まで、「荘園の歴史」というべき本です。わたし、中世に興味があっていつか中世を舞台に庶民を描く小説を書きたいと思っているのですが、そのためには荘園というものを知っておかなければならないと思ってたんです。読んだら知らないことばかりでした。もっと勉強しないと。。。


 この本を読んでて思ったのは、農業って大変だってこと。食べることは、生きていくことの大本なので、農業こそ人間社会の基礎なのです。安定した農業を営むということが、どれほど大変で、昔の人々が心を砕いてきたかわかります。


 第一が治水です。水がなければ米は作れないので、古代では川のそばに田んぼを作るのです。でも、洪水が起こると田んぼは川原に戻るんですね。洪水を嫌って、川から離れたところに田んぼをひらくと、用水路やため池が必要になりますし、こういう田んぼは日照りが続くと稲が育ちません。とにかく、水が大事。水を治めないことには、国は治められないと分かりました。


 もうひとつは天候。人の手でどうなるものではありませんが、この本で取り上げられた時代は旱魃、冷害で稲、麦が成長せず、飢饉に見舞われることが何度もあります。『鎌倉殿の13人』でも「来年は飢饉だ」って言ってました。昔の人にとっては、お天気はかなり身近で切実な問題だったのだと思います。


 現代人って、農家でない限り農作物のことって他人事じゃないですか。スーパーへ行ってお金を出したら買ってこれるものですよね。スーパーに野菜が並んでいない米がないなんて考えられないでしょ。


 トンガで海底火山の大噴火があったけど、天気への影響はどのくらいあるんでしょうね。遠い国の出来事ですけど、グローバル化の世の中です。オーストラリア、ニュージーランドのお天気が日本の食卓に影響を及ぼすって十分考えられますからね。


 ぼうっとしてちゃいけないのかもしれません。。。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る