第7話 異世界転生の思い出

 カクヨムで連載をはじめると、謎のブースターが作動して「週間ランキング」の上位に少しの間だけランキングされたりします。これは、しばらくカクヨムで書いているとわかってくる、カクヨムあるあるのひとつ。みなさんも身に覚えのある人が多いのでは? このエッセイもその例にもれず、ただいま【エッセイ・ノンフィクション】週間ランキング上位に絶賛ランキングされています(笑 いまのうちだけなので、ここ数日はせいぜいランキングを見ては、ほくそ笑んでおくことにします。少しの間とはいえ、気分がいいです!


 気分がいいついでに、普段は見ない【総合】週間ランキングも見てみます。相変わらず異世界転生モノが強いんですねえ。調べてみると、週間ランキングの上位10作品のうち、5作品がいわゆる異世界転生モノでした。5割です。あとは、転生しないファンタジーとラブコメだったかな。いつまで異世界転生モノは受け続けるんでしょうね。


 わたしは、一切、異世界転生モノは読んでいません。などと書くと……。


 ――どうせ、ラノベのこと馬鹿にしてるんだろ。

 ――エッセイでも文学がどうとか、気取りやがって。


 とか思われるんでしょうね。

 当たらずとも遠からず。


 読まないけど、嫌いではない。それに文学おじさんを気取っているわけでもない。

 なぜなら、わたしが最初に書いた小説は、異世界転生モノだったから。文学? なにそれおもしろいのか? っていう若者だったから。

 内容もチート能力こそ持たないものの、自分を投影した主人公が異世界の美少女キャラとイチャイチャするという――藤光の創作の「黒歴史」であるわけで(笑)


 異世界転生が求められてるっていうのは、とっってもよく分かる。わたしもそうだったから。ただ、わたしが若かったころとは、だいぶ違うところがあって。わたしが異世界転生書いてた頃は、そんなの書いてるのはじぶんだけだろうと思っていました。もちろん、本屋さんに異世界転生小説が並ぶなんてこともなかったし、じぶんが書いているものは、と思ってました。いまはどうです? めちゃくちゃ読んでもらえてますね。三十年遅く生まれてれば、わたしも異世界転生モノを書いて、いまごろは印税生活だったかもしれません(爆


 わたしなりに、異世界転生モノ隆盛の理由を考えてました。


① 「そんな都合のいいことありっこない」という大人目線のツッコミから自由になった。

 昔は、チートで無双なんて小説は「そんな都合のいい話があるわけない」と馬鹿にされて、もちろん書籍化などされるはずがなかった。そういう常識、良識、といった大人のルールみたいなものに縛られてた。いま、その時代が縛りから自由になって「心地よくて何が悪い」「ルールより欲望が優先」といった時代の流れを反映している。


② みんな現実に絶望している。

 異世界転生が流行する心理は、こういう時代のなかで「ここにいてもなにも良いことがない。どこか別の世界へ行ってしまいたい」だと思う。じっさいに若いころのわたしがそうだった。金はない、女はいない、思うように生きられないと三拍子揃ってて、ここじゃないどこかでやり直したい。人生のリセットボタンを押したいわけ。


 なんか、社会的弱者の絶望と欲望のはけ口が、異世界転生モノの隆盛に繋がっている……のかも。そしていつまでも大人にならなくていい時代じゃないですか(わたし自身すごく子どもっぽい)。中二病から足が洗えないんですよね。。。そう考えると、時代の病といえなくもないなあ。


 戯れ言を並べてしまいました。

 今度はもっと楽しいこと考えましょー。ではでは。

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