第4話プロローグofゲーム②

全員の自己紹介が終わるのを待っていたかのように、テーブルに置かれたモニターは光を放つ。そのモニターにはスーツを着用しているが、フルフェイスのマスクを被っているため、断定はできないが背格好から見て男だろうと思われる人間が黒革の椅子に座っている。男は口を開き話始めた。

「やぁ皆さん。ご機嫌麗しゅう。な~んて慣れない挨拶をするもんじゃないね。」

スーツを着るには不釣り合いな随分と若い声で、軽い口調だか説明は淡々と続いていく。

「早速で悪いんだけど、君たちにはここに集められた目的を説明しようかな。君たちにやって貰いたいのは2つだけ。まず1つは君たちの部屋と同じ色のカラーボールを探すこと。そして2つ目は僕の大事な大事なものを見つけること。簡単でしょ?それと、当たり前だけどいくつかルールがあるよ。1.騙される方が悪い。2.イカサマに気付かないのが悪い。3.ここから出られるのは自分のカラーボールを見つけた人。4.僕が失くした大事なものを見つけた人も特別に帰ることができる。5.プレイヤー同士で殺し合わないこと。これだけだよ。みんなちゃんと守ってね。じゃないと面白くてないから。それじゃ、何か質問はある?」

一通り話終えると、僕らに質疑応答の時間が与えられた。まず口を開いたのは、春飛だった。

「なんで俺らがお前の大事なものを探さなくちゃ行けねぇんだ?大切なものなら失くすなよ。」

「そうだねぇ。失くしたことに関しては、僕も申し訳ないと思ってるんだよ?準備してる時に失くしちゃったし、一昨日まで全く気付かなかったんだよ。だから君たちに探してもらえばいいかなって思って。」

「理由はわかった。その大切なものはなんなんだ?正体が分かりもしないものを探せ。なんていうのは無理があるからな。」

「探して欲しいものは、指輪なんだ。結婚指輪とか、貰い物。っていうわけじゃないんだけど、それなりに大切なものなんだよ。」

「わかった。お前の言う通りに行動するのは癪だか、ここから出られねぇんじゃ仕方ねぇからな。」

「ウンウン、そう言って貰えると助かるよ。他にはなんかある?」

男が再び、こちらに投げかけてきたきたが皆は特に疑問点は無いようだ。

「おやおや、こんなにあっさり疑問が無くなるとは。まぁいいや。あとから教えてくださいはなしだからね。あ、そうそうここから出られた人には賞金として5億円が待ってるからね。みんな頑張ってね。それじゃ、そろそろゲームを始めよう。」

男がそう言うとモニターは再び暗くなり、何も起こらない。何も出来ないまま、ただ時間を消費すること5分弱。

「みんな、1回自分の部屋に戻ろうか。そして、明日から、どうするか決めよう。」こんな声が聞こえてきた。この発言に同意したのか、それぞれ、自分の部屋へと入っていった。

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ライアーズサバイバル ソラノヒト @SOURAN_NO_KITNE

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