第一四七回 力と技の集大成。


 ――それは今、ここにあり。そして今、僕はその模様を今こうして執筆している。


 一度走り出したら、止まらぬ執筆。加速を増してゆく。暴走する全三十体ほどのロボットを前に。僕らメンバー、誰一人として怖気づくことなく其々の役割で動いていた。


 あくまで救護……

 応戦という言葉は使わずに、その暴走を阻止するために動く。


 可奈かなは得意分野に走る。機械には滅法強く、コンピューター系では無敵を誇る。暴走を制するため、その司令塔の風格を持つラスボスを突き止め、その乗っ取りを目指す、


「ったく、私を誰だと思ってるの? さっさと観念して可奈様の前でひれ伏したら? でないとね、あなたの中枢神経をズタズタにしてやるわよ」と、言葉を漏らしながら。


 黒き怨念を振り撒きながら……

 大分と怖っ……で、可奈は僕を見るなり「あんた今、『怖っ』て思わなかった?」


 ブンブンと顔を横に振る。するとするとすると、掴まれ引っ張られる手首。――それは誰? と思う刹那、顔を見ればしょうさん。翔さんは「おい、行くぞ。旧号きゅうごう太郎たろうと、それに千佳ちかまで肉弾で食い止めてるんだ。シャルロットさんが今用意してくれた。乗り込むぞ」


 と、もの凄い早口で。


 その理解度は三十パーセント。あまり理解できないまま、僕は翔さんと一緒に乗り込んだ。とあるロボット。見た目は、ずんぐりむっくり。だけれども、何もないよりか……


「操縦方法はな、四季折々を思い出せ。お前ならできる。お前は執筆だ執筆。操作は俺がする」と言うも、翔さんは深く溜息を吐きながら……


「戦いは終わったと思ったのにな。もう二度と……ったく、何の因果だろうな」


「大丈夫だよ。これは戦いじゃないよ。

 僕らの思い。観客さんたちや皆を守りたいと思う僕らの気持ち。平和を愛する心」


「梨花には敵わないな。純白のパンツも伊達じゃないな」……って、この内部の配置は下から、翔さんの見上げる位置からは、僕のスカートの中が丸見えってわけで……


「バ、バカ、何処見てんのよ」と、ササッと隠す。スカートの裾を引っ張りながら。



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