第三十章 ――万博。
第一四六回 博覧会も兼ねて。
――かつて行われた場所に、再び。聳え立つ太陽の塔。それは二十世紀の象徴。
それでも、僕らは知らない。僕らは二十一世紀の子供だから……
ベーゴマだって、お母さんの世代……お母さんに代わって、その日はお祖母ちゃんが教えてくれた。
僕らは平成生まれ、なので新鮮。
万博もまた、その一環。昭和四十五年に開催されたそうなの……丁度その年なの。
ランバルさんも、それからこの人はね……「あっ、お母さんも来たんだ」と、翔さんは言う。見ると、翔さんは母親似のようだ。そしてまた、旧一おじちゃんと同じ世代。
ついこの間まで、四季折々のエンペラーと思えないような姿……
というよりも本来の姿。とてもとても綺麗な人だ。
なら、ランバルさんのフルネームは何? 名字は、葛城……やはりそのようだ。一家団欒を楽しんでほしいと思ったけれど、翔さんはオープンに僕らを、そうそう、
「一緒に付き合えよ。ここからが本番なんだから」
と誘って離さずで、ここからはアトラクション。ロボットによるある種のゲーム。
それはそれはサッカーなのかな? ロボット同士による。試合は瞬く間に開催されたのだ。始まりはやはりキックオフ。発熱する試合と転じたの。
まずはこの時を迎えた。二十一世紀に於ける万博の博覧会。……五十五年の歳月を経てこの場所へ。AIの時代を象徴とした趣に変えて、この地に帰ってきた。
アトラクションで使われているロボットは、量産性に優れるようにと、簡易的なものとなっている。すると、それは突然のこと。暴走を始める、試合は崩れて、我ら人類に襲い掛かる。観客席にいる我ら……に向かって、攻撃を仕掛けてくる。見境もなく……
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