第一二二回 光あらば影あり。
――雨は、いつしか霧状に。そしてモノクロなお空も色づき始めたの。
晴れ間が見える。日光が照らすことにより、生じることがある。……それは影。僕たち三人に纏わりつく。歩む中でも追いかけてくるの。しかも切っても切れない縁だから。
同じなの、光と影の関係……
今歩む現実な世界と、その因となったパラレルな世界……
見事に証明している。『現実は小説よりも奇なり』と……
――辿り着いた先、そこは一軒のラーメン屋。
「入るぞ。俺の奢りだから、遠慮なしに食えよ」
と、翔さんは僕らを招く、カウンター席で横並びに座ると、そこの店主と思われる人が近づいてきて……「おう、翔ちゃんじゃないか、今日は学校じゃないのか? さてはサボりか? まあ、青春には色々あるってもんよ」と、やたらテンションが高く、僕と
「違うのか?」
「違う。どう見ても俺は品行方正。それ以外の何ものでもないから」
との、やり取りに、思わずクスッ……と、笑いを堪え切れなくなってしまって、
「おい
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