第一二〇回 御堂筋に吠える。
――明るくなるお空、暗闇は薄っすらと淡い紺色に化けて、三日月が浮かぶ。
眠りも忘れたまま、この時を迎えていた。
僕も
学園へ行くのも億劫だけれども、
本当は行くのも嫌々だけれども、並んで歩いている。僕と千佳、それから翔さん、三人並んで。思えば珍しい光景で、翔さんはいつもシャルロットさんと一緒に、僕らよりも早めに登校しており、僕と千佳と
そのメロディに溺れそうだから、
「翔さん、その……」と、声を掛けるキッカケを得た。
「どうした? 梨花」と、声を掛けてくれたから普通に。普通が何か知らないまま、僕は描く。リフレッシュのため、それが何を意味するのかは他言無用……
題して『カラフル』
それに『カップル』とも。モノトーンとは表裏の関係。だから必要と思えるの、ネガティブな発想が心に纏わりつく今、ポジティブな発想に変えるための行動。一筋縄にはいかないけども、心に纏わりつくものを排除する働きは必要と思う……
「今日は、学園に行かない。このまま電車に運ばれるよ」
「梨花?」「おいおい、サボるのかよ?」と、千佳と翔さんは驚くけれども、「そんな時化た顔で学園行ってもつまらないだけだよ。今日だけは悪い子を出すの、ガス抜き」
と、僕は厳として言った。……心境的には、雨の御堂筋がお似合いだと思うから。
この私鉄沿線の終点から、御堂筋に乗り換え……歩くの、三人並んで行進のため。
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