第一一二回 試みる二回目だ。
――それは、臨場感あふれる合体。
思えば二回目の合体で、まだそれほど場数を踏んでいなかった。
それでも要約だ。合体に掛け声が誕生した瞬間だ。ぶっつけ本番にも拘らずで、しかも僕と
決まったのは昨日の今日、
できたてのホヤホヤと言っても過言ではなかった。それにしても……
「皆、何でわかったの? 合体時の掛け声……」
「う~ん、そうだな。俺と
と、いう感じで、僕と翔さんは有り得そうなリアクションを披露していた。すると、
「何言ってるの?」と、
合体プロセスを確認する前に、もう合体が終わっちゃったという、何たる間抜けなことで、「へっ?」と、そのことに相応しい声も、いつの間にやら漏れていたの……
「駄々漏れだったよ、あんたたちの打ち合わせから既に。あーだこーだとホント、こんな時にまで揉めちゃって、そんでもって一回やってみようとか言って、せーのっ、という展開になったから合わせてあげたの。
その可奈の言葉に対して、僕は今一度だけ質問を投げかける。
「合図って、どのような?」
「モールス。キーボードを利用した。スピーカーにコッソリ流したの」
そう言われてみたら、少しばかりノイズが入っているような、何かそのような音が聞こえていた。ある意味すごいという外はなし。千佳がモールス信号を使えることを、今この時に初めて知ったのだ。「誰から習った?」と、その問いが浮かぶ。「シャルロットさんから」と答える、千佳は答える。なら……千佳を仕込んだのは、もしかしたらシャルロットさん? きっとランバルさんから、スパイ術を極める程に吸収していったのだ。
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