第二十三章 ――白雪。

第一一一回 白銀のお姫様へ。


 ――寒波は続くのこの先も。とあるニュースより情報を得ることとなる。



 肌寒くも……それが現実で、


 パラレルの世界ではそれが拡大した模様、吹雪く中に見える白銀の風景。お空を飛ぶにも辛い状況。エンペラーは五機のマシーンに分解し、それでも群れを成して行動……


 お正月の三箇日が過ぎたのなら、颯爽たる出撃で、

 まずは上空から偵察。其々の目線から、六人の目線から……



 すると既に現れているのだ。白銀に紛れていたロボット。天使という趣……ではなく悪魔の趣。白い悪魔とでもいうのだろうか? 武器は槍、何メートル? もの凄く長い。ロボットの身長が……「七十二メートル」と響くマイク越しの旧号の声。一号機に太郎君と一緒に乗っている。そのロボットについて旧号は分析している、細部に至るまで……


 七十二メートルの身長なら、槍はその倍の全長。

 途轍もなく長い。色は白色。ビーンと効果音を響かせながら、モノアイが赤く光る。


 西洋の騎士のように美しい。白い鎧のような装甲の隙間から、輝きを見せる赤い光。特殊なフレームでできていると、旧号きゅうごうは分析するの。脳内に住むコンピューターにより。


 攻撃を仕掛けてこないと思っていたら、


 槍が襲ってくる、吹雪の中から。弾かれる、悲鳴と共に。女の子の悲鳴――空中を回転する千佳ちかの四号機。何とか体制を戻した。


 そして攻撃してきたということは、敵と認識する。そのロボットは、やはりボヘミアン組合のものと割り出された。モニター越しに、ランバルさんの顔が映って、


『さあ、エンペラーに合体だ』と、皆に言う。


 そこで掛け声だ。「行くぞ!」と、太郎たろう君の声が、遥か上空に向かって響いた。


 ――レッツ、エンペラー・コンバイン!


 六人の声が合わさる。心揺るがない合唱と固い絆。そして始まる合体プロセス。



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