第一〇四回 新年、あけおめ。


 ――令和四年の元旦。夜を駆け抜け今時分に至る。思考は脳内を駆け抜けるから。



 その様は駆け下りる螺旋階段のようで、そして今は、パラレルとは異なった現実の世界に身を置いている。時間の流れは、どの世界にも存在する。パラレルの世界では、まるで休日のように時間の流れが速いの。あと、バンプラ……プラモデル制作をしている時も同じと言える。それもそう、現実では夢のように時間の流れは速いから。


 それにしても、残る慌ただしさ。


 お家から出た外の風景は、大晦日よりも或いはもっと前から、十二月より密かに慌ただしさは募っていたの。思えば四季折々の形態も迅速なまでに変化を繰り返してきた。



 本年は初頭から、その流れを引き継ぎそうな予感が、脳内に纏わりつく。行き交う人の流れはその象徴に見える。そこにある空気もそう。僕は今、その流れに溶け込むの。


 記憶に残る四季折々の形態……


 初めは僕の好きなバンプラに出てきそうなリアルロボットの形態だったのだけど、今となっては、まるでデラックス・超合金のような合体ロボットの形態に、どうしたらそうなるの? と思える程の変化で、これでもまだ、変化は続くと言われている。身長が五十七メートルになった時から、僕はエンペラーと名付けた。リアルロボットの種類から別ものの種類となったスーパーロボットという種類に、僕の思考の中で分類を施すために。


 そこからの未来はまだ見えない。


 今見える人々の慌ただしささえも戦慄となる。なら、心の奥底の勇気を奮い起こす勢いをつけたい。羽搏くイメージ。今のこの時は旋律を奏でる部分であると自覚をする。


 ――戦慄だけに、勢いのある旋律を奏でる。


 だからこそ僕は、筆を執る。きっと皆、心は重なる。各々の場所で『一年の計は元旦にあり』という言葉を噛み砕き、噛みしめていることだろう。


 そう思った時、僕に訪問者が現れたのだ。目の当たりに、声を掛けてきたの……



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