第二十一章 ――旋律。

第一〇一回 年末に現る強敵。


 ――Xマスからお正月、まさに冬休みの醍醐味の真っ只中。



 それでも出撃することに。


 平和を愛する心には、待ったなしの戦場が広がる。その中心には巨大な敵……これまでの敵とは、あり得ない程の違い。規模というよりかは大きさが異なりすぎるの。雲泥の差というべき程の全長の差。実に百倍以上の全長の差。


 そしてここでも……


 年末の慌ただしさが物語られていた。



 敵が巨大なため、ほぼ宇宙空間の入口……つまり大気圏の手前辺りが戦いの舞台となった。それは何を意味するのか? エンペラーの持つ耐久性やエネルギー関連に支障をきたすという意味だ。大気圏に近づけば近づくほど、エンペラーの持つエネルギーの消耗は激しいのだ。宇宙空間なら一分の耐久とするなら、大気圏の手前だと五分五十五秒。地上に降り立つことも含めるなら、三分が戦闘のタイムリミットとなる。もし三分……が過ぎたのなら、エンペラーは墜落する。或いはその過程で空中分裂を起こす可能性が大。


 敵の容姿は、人型……


 大きな翼を広げて全身が真っ白……白色に光り輝いている。特徴からしてボヘミアン組合のロボットとは異なる種類。そもそもロボットなの? って感じ。フォルムはどう見ても人間の、女性の容姿。頭部にはリングが……天使の輪が浮かんでいる。


 エンペラーの身長は五十七メートル。その百倍……単純に計算したとしても、五千七百メートルは思われる。その巨体故に、地上での戦いは大惨事を齎す。攻撃だって、加減などできるはずもなく、常に全力を尽くしている。それ故に、ビッグバン的な被害を与えそうなのだ。都市が消滅する可能性も考えられる。繰り出す技は、太郎たろう君の指示……


 一撃必殺が要求される。されど、出撃した理由は何なのか? そもそも敵なのか? 現れたからといって、何も攻撃してこないのだ。もう少し見極める必要があるの……



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