第九十七回 超時空の固き絆。


 ――涙の後は、きっと笑顔がベースになる。お化粧の下に隠された素顔のように。



 そしてまた混沌とする黒い雲の向こうには、レインボー輝く青いお空と信じるの。

 今は渦巻く黒い時空の波……


 僕と千佳ちかは向かい合わせ。時空を超えた超時空の流れの中で、僕らはお互いの、胎児からの肉体の変化を目の当たりにする。……五歳の容姿から十歳、つまりはこれまでの、お互いが知らなかった肉体の変化。包み隠さず一部始終、十五歳までの過程を描いた。


 このパラレルな世界と現実の世界、ボーダーラインを超えそうになると、行き来する仕組みとなっているようで、記憶に残るのも、まるで夢の出来事のようで……それが証拠に四季折々のエンペラーも、その姿を再生していた。……いや、違っているようだ。


 ――開かれている。


 旧号きゅうごうの手によってオープン・マイハートを実現しているの、旧号の心が棲むの。


 開かれたエンペラー。合体の意味を解き明かしたから。

 聳え立つエンペラー。その中で僕らはまた集うことができた……


 六人のバラバラになっていた身と心、またこの場に集結した……ありのままの身と心を見ながらも、って「な、何で裸なの?」と、いうことだ。次第にコスチュームに身を包むの、新たなるコスチューム……それは、「君たちは、新たに生まれたんだ。今ここで」


 との、旧号の言葉。旧号もまた同じ。その裸体も、人間と変わらない外観。とても機械とは思えないのだけど……と、彼もまた身を包むの。僕たちと同じコスチューム。


 ――なので、

 新章たるエンペラーが発動したのだ。


 旧号とエンペラーの関係は、旧号がエンペラーの核となっている。つまりは中心ということなのだ。その中心と太郎たろう君の呼吸が合ったことで、超時空が発動したというわけ。


 それと同時にまた、ロック・ガイが三体、目の当たりに蘇っていた。今再びの戦いとなるのは変わらないけれど、僕らの絆がパワーアップしていることは一目瞭然なの。



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