第七十七回 それはカルメン。


 ――自由に飛ぶ、大空へと。



 前回の戦闘により、四季折々は革命を迎えて今の姿に。……変わり果てた姿から、翔さんの燃ゆる魂と共鳴して、二十メートルほどのリアルロボットが、巨大化と変形を、進化の過程をそのままに表現しながら、五十七メートルのスーパーロボットになったの。


 第三形態ともいえる今の四季折々の姿に、

 エンペラーと名付けた。題して『四季折々のエンペラー』と、名付けたのだけど、


梨花りかのネーミングセンスって、相変わらずね」と、可奈かなに言われ……


「まあまあ、いいんじゃねーか。梨花にしてみれば、今回のネーミングは上出来だと思うぞ」と、しょうさんは言ってくれるのだけど……これって、遠回しにしただけで、僕にネーミングセンスがないってことじゃない! と、その心の声は、表面化していて……



「そんなに膨れるなって。

 ……ありがとよ、梨花。マシューさんを、こっち側に導いてくれて」


「なっ、何言ってるのよ。

 こんな時に、翔さんがしおらしくなると、いつもろくなことないじゃない」


「アハハ、そうだったっけ?」


「そうよ、縁起が悪いんだから。……必ず、必ず救おうね、オルティアさん」


「おお、当た某よ」


 いつの日からだったかな? こんな風に翔さんとお喋りできるようになったの? そうだね、いつの間にか。僕らの仲は、それでいいと思えるの。……「そうよ、梨花。その辺で割り切った方がいいと思うよ」「可奈?」「梨花だって同じ。あんたもしおらしくなったらろくなことないんだからね」「って、それって僕は、翔さんと似た者同士?」


 ――と、その弾み会話も載せながら、空を駆ける巨体。原動力となるのは、弾くキーボードと共に進む僕の執筆。それによって超電磁が生まれる仕組みとなっている。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る