第六十九回 シンクロする光。


 ――それは、白い光。



 翔さんの気迫に反応するように、四季折々の鼓動は早く脈打つ。僕のコクピットは、胸部にあたる。下腹部に可奈かな。腹部にしょうさん……見ると、不思議なことが起きていた。



 もう少しで胴体が真っ二つになるところだった四季折々……


 大いなるイーサムの足の爪で、穴が開いた腹部だったけれど、治癒しているのだ。新たなる皮膚が張り巡らすことにより、穴の開いた腹部は、塞がっていった。


 それどころか、光り輝いていた。

 真っ白に……


 それらは何か? 翔さんの周りで起きていることだ。不思議なことが起きていた。

 四季折々は真っ白に、光り輝いているのだ。


 スパンッ……という研ぎ澄まされた効果音。


 動かす左腕。レーザービームよりも、如何様な名刀や名手でも敵わないような、恐るべき切れ味。ズルッと切断面を、露わにする大いなるイーサム。五十七メートルもある巨大ロボットが一瞬にして無残に、真っ二つとなった。縦に……両断したのだ。


 続けて、地面に叩きつけられる音。その効果音が、ズシーン! と、大きな字幕となって、画面狭しと現れそうだ。爆発する間もなく、左右に分割され……崩れ落ちた。



 そしてまだ、繰り返すの。進化を……


 見る見る変わる四季折々の変化は、翔さんと共鳴しているような感じで行われているようにも思えた。今は二十メートル近くの身長も、伸びてゆく三十メートルとへと。


 雷よりも衝撃的な……


 翔さんと四季折々の関係が、もうすぐ明かされそうな、

 そんな気配を犇々感じさせながら、大地を揺るがし駆ける、四季折々。



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