第十三章 ――狙撃。
第六十一回 機動力と機動力。
――瞬時の回避の中にも攻撃を。アーマーを除去した四季折々は機動力を重視した。
本来ならば、お約束通りに……
または、偶然にも用意周到な僕ら。脳内には、描かれている攻撃パターン。
そしてまた、連なる三機による攻撃を予定していたランバルさん。それが証拠に、条件にピッタリな機体で攻めてきた。その名も『黒き立党精神の童夢』と名乗る。
しかしながら、
あくまで予定……アクシデントは付きもの。と、いうのか、だからこそ先の読めない勝負。順風満帆な戦いなど、勝負の世界にはないのだ。常に何が起こるのかわからない。
思考する間にも、迫る黒き立党精神の童夢。
バリバリと効果音を奏でながら、内蔵されるシリンダーを一杯にし、跳ぶ四季折々。
初めの一機の「なっ、踏み台にした?」と、台詞が聞こえる中、頭上に足を置き、更なる跳躍。もっと高く! との願いを込めながら。一機目の後に続く二機目は構えるバズーカー。それも至近距離、同じ高さまで飛び上がっての。それがランバル機のようで、掠める発砲。僕らの機体は、白兵戦に切り替えてのブレイド。切り付け切断にまで至った。
見事なる、腕切断……
真っ二つを避けたのは、流石はランバルさん。地面に落ちるバズーカーを持った腕。
しかし宙を舞っている四季折々に、地面で上半身だけとなっている機体が、バズーカーを向けていて、今まさに発砲しようとしていた。「しまった!」と、翔さんの悲鳴が。
その瞬間だ。彼方から矢が……
ボウガンから発射されたと思われる矢が、上半身だけとなっている機体のモノアイを貫いた。視界を奪ったのだ。その機体は発砲を諦めて、力なくバズーカーを下した……
着陸する四季折々、
響く機体自体の鼓動と乾く喉。そして、乱れる翔さんの呼吸。心も乾く瞬間だった。
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