第五十九回 三位一体と三体。
――戦いは、迅速に行われる。まるでコンマ何秒の世界を描くように。
せめて戦う場所を選ぶ。人を巻き込まない場所へと。このキャンプ場のような施設ということを利用して山の中。とにかく思い切り広い場所へと、敵も律儀に移動してくれた。
それもそのはず……
その機体は、ジプシーの異名の面影を持つ機体。黒と紫のカラーリングで、ずっしりとしたフォルム。そしてマイク越しで「この間の大河の壁とも違うのだよ」という台詞も。
フ―ッと、深く息を吐いてから
「あの……ランバルさん、俺たち修学旅行の真っ最中なんだけど」
と、呆れた様子で、その口調で言い放つの。そこで僕が予測するに『戦士は如何なる時も、危機感を感じるべし。敵は都合よく現れてくれないぞ』と、いうようなニューアンスで、ランバルさんは『戦士とは何たるか』を、特に翔さんに厳しく語るだろうと……そう思っていたのだけど、「親としては、娘の初めての修学旅行とやらが気になって、様子を見にだな……」と、言う始末で、僕は「クスッ」と、笑い声が漏れて……
「あのさ……
「もちろん戦うに決まってるじゃないか。だからこその、この機体……『黒き立党精神の童夢』に搭乗してるのじゃないか。我が『魔の三体時間差攻撃』を受けてみるんだ」
――って、それって、まさかとは思うけど、
某アニメのジェットストリーム……を再現しようとは? 僕は、そのプラモデルで再現して遊んでいたけど、もう攻略法は知っているし、僕は四季折々の脳内を担当しているから、身体を担当している翔さんが、その通りに動いてくれるし、可奈は敵の動きを先の先まで予測するから、ランバルさんたちに勝ち目はないと、心の底では確信に満ちていた。
――その時だ!
四季折々のアーマーが脱皮? 一斉にアーマーが分離して、四方へ飛んだ。
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