第五十七回 思いはもう全開。


 ――オープン・マイ・ハート。それこそが全開へと繋がったから、道をも開く。



 それは宇宙への道……


 未知なる敵への探求だ。知ることにより、深く理解することにより、戦いも収束することを学んでゆく。これまでがそうだったと思うの。……しょうさんは、そんな僕を甘ちゃんと言うけど、こうも言っていたの。――梨花りかが、甘ちゃんで良かったと。



 翔さんと出会った頃は……

 こんなことになるなんて、思ってもいなかった。


 それ程に、彼女とはそりが合わなかった。自己中でKYで……あとETC。僕とは真逆ともいえるキャラ。好きになることもないと思っていたのだけど、でもいつ頃だろう?


 僕は彼女を頼りにしていた?


 命を懸ける戦いでも、僕は彼女を信頼していた。


 そして今、同じ学園にいる。彼女は学園生活を知らずに育ってきたと聞く。僕には想像もできないような世界にいたという。ずっと大人に見える彼女も、


 ……やっぱり十六歳の女の子。


 ついこの間までは同い年だった。少しだけ誕生日が早かっただけ。語らいの場が設けられたのなら、その会話の内容も、普通の女の子で、グッと距離感も縮んでいった。


 そして彼女には、

 僕の双子の妹と同じように人生初の、修学旅行となる。高等部一年生の彼女が、僕らと同じ中等部の修学旅行に参加だなんて異例中の異例だけど、叶えてくれたあしながおじさん的な、あしながお姉さん……とでもいうべきなのか、その様な人物がいたのだ。


 シャルロットさんが彼女に学園を勧めて、人生初の修学旅行まで参加させてくれた人物なのだ。学園の先生よりも力のある存在なのかもしれない。――というわけで、翔さんは今、僕らと同じクラスとして、修学旅行を堪能しているうちの一人となっていた。



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