第五十三回 飛び立つその時。


 ――イカロスよ、今再び。

 との思いで羽搏くの、夕陽に向かって。



 陸・海・空……その三つを兼ね備えた機体と、搭乗するキャラたちよ。


 陸は可奈かな、立ち上がるイメージ。海は梨花りか……つまり僕だ。海を走るイメージ。そして空は、やっぱりしょうさん。大空へ羽搏くイメージ。三人揃っての四季折々となるの。


 この度の改造は、この三つの条件を熟せること。

 そして耐久性も。そのためのアーマードなのだ。対するは、あの紅い閃光。


 僕らはその戦う舞台に向かっている。そしてその大きさに驚くことになる。まず見えるものは大空。そこが戦う舞台となる。続いてその大きさ……赤い閃光の発射元だ。



 その本体は、メートルを超えてキロという値にまで達している。可奈の情報網を用いても、そこまでしか割り出せないようだ。その姿その形は勿論として、何処から現れたのかも謎……仮説としては、地球上のものではないらしい。もしかしたら宇宙生物?


 だとするなら、僕らも宇宙の海へと旅立つことになるのかな? ――そんな考えが、脳内を散歩した時だ。飛行物体の上に乗っかっている人型形態のロボットが現れた。


 ヘルメットを被ったような丸い頭部。空を映し出すアイマスク。……丸みのあるフォルム。色はピンク……って、記憶の防波堤を崩してでも、思い出させるその特徴。あのスーツの色だ。もしかして……とも思ったけど、僕はそうだと認めたくなかったけど、


「やあ君達、応援に駆けつけてあげたよ」


 と、声が聞こえて、マイク越しに聞こえた声。それにモニターまで拝見したなら、それが現実と認めることとなる。――やっぱり、キッカー・コージさんだったの。


 ……あれ? さん付け? 年上だと思ったけど、よく考えたら、せつは彼のことを君付けで呼んでいた。……ということは、まさかの同い年? 因みに摂と僕は同じ学年だから。


 そして、あれが『モー・ニカ』……全長は、実に二十メートルあるようだ。



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