第五十二回 目覚めたら、光。


 ――二人は目覚めた。僕と同じように。治癒用のカプセルの中から。



 もう一人ぼっちでないことを実証する。しょうさんにはランバルさんがいた。傷はもう癒えたの。それが証拠に「そんなに見るなよ、俺の体……傷だらけだし。実験繰り返され」


「何処に傷があるというのだ? とても綺麗じゃないか」


「……バカ。いくらお父さんでも、娘の裸をそんなに見るもんじゃないぞ」


 そう。カプセルは開いたばかり。きっと、お約束な光景となる。だから、


「私はただ、娘の成長をだな……」


「とか言いながら、ニヤけてるじゃないか。……でもさ、いつになったら、お父さんと呼んでいいの? いつになったら、俺と一緒にいてくれるの? ……もっと女の子ぽく?」


「翔は充分、素敵な女の子だよ。

 ……でも、まだ戦わなきゃならないんだ。いつの日か、戦いのない日が訪れるまでな」


 戦うことは、やっぱり宿命の……この親子。


 だからこそ、一日も早く戦いの収束をしなければ。……そう、執筆の力で。



 ――ザバッ。立ち上がる、可奈かなが。


「四季折々の、大改造……

 題するなら『アーマード・四季折々』なの。パワードスーツを着た四季折々と思ってくれればいいわ。対するは、あの時の赤い閃光の正体。新たなる敵かもしれないから」


 まずは調査。


 そのためには、あの攻撃に耐えられる装備が必要だ。……今は季節も変わり、木枯らし一番。学園では夏服から冬服へ、装甲が必要となるの。それと同じ考えのようだ。


 ならば、四季折々にも冬服が必要となる。


 夏は体操服、半袖短パン。冬はジャージ、長袖長ズボンという感じで。それからミサイルポットも完備。ジェットエンジンを積んだウイングなどもね。



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