第三十九回 ヒントは何処に。


 ――実はあるのだ。その名前に。


 シャーロックスターシャ・ルイーズベルモット・エッフェルエンペラー・シャルル・ド・二十六世……という長い名前の中に。これこそがシャルロットさんのフルネーム。



 深い繋がり。しょうさんとシャルロットさんは、その昔から。……いやいや親の代から。


 何故この時に明かされたのか?


 ……内通者がいると、極秘裏に調査が進んでいた。まず初めに疑われたのは翔さんだけれども、彼女はもう敵対していると判明したの、この間の戦いで。そして本人も言っていたから、ボヘミアン組合とは、とっくに手を切っていたと。


 それが証拠に、あの戦闘に於いて、相手は躊躇なく翔さんをも攻撃していた。彼女はもう相手にとっては敵以外の何者でもないと、……せつは述べた。指揮官としてだ。


 では、真の内通者とは、


「シャルロット、あなたよ」と摂は言った。まるで探偵のように指差し付きで。


 衝撃とショック……

 この二つの感情がクロスした。きっと一番辛かったのは、摂だったに違いない。家族も同然に一緒に暮らしてきた仲だったから。僕も可奈かなも、翔さんも皆が皆、注目するの。


「……ごめんね、ここまでのようね」


「どうして? どうしてボヘミアン組合と? あの組織はシャガイを大量に殺害した恐ろしい組織なのよ。……できれば間違いだったと、悪い夢だったとしたいの……」


 摂の目には涙……

 でも、シャルロットさんは、顔を横に振った……


「現実なの、摂。

 間違いでもないの。……全部、真実です」――そう、静かに言った。声も震えて。


 でも、何かしら理由はある。そうせざるを得なかった理由。


 例えば、やむを得ない事情があって、利用されていたとか……



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