第八章 ――阿吽。

第三十六回 その呼吸で成立。


 ――それは、合体に於ける三人の呼吸。それが、四季折々の真の力と成立する。



 天使を司るその姿。羽搏く白い翼と、エンジェルリングも加わって、色白く美しいそのフォルム。装甲は僅かばかりだけれど、攻撃は最大の防御と、その通りに実現している。



 そして三体のジプシーの異名も、飛行形態から人型形態へと変形し、

 地に足を着けた。バウン……と効果音を立てながら。緊張を煽るには丁度良い効果を示している。構えて向けるガンポット。一斉に発砲してくる。……のだけど、


『化け物か? この機体は』『我々の攻撃を受け付けない』


 との、生の声が聞こえてくる。マイク越しだけれど……男性の声。僕らよりもずっと年上と考えられる。それでも怯まない。しょうさんが足となり操縦している。


「頭部を狙え、梨花りか。俺が誘導するから、お前は打ち込むんだ。執筆で打ち込むように一念を定めてな。可奈かなは相手の動きのパターンを掴め、予測しろ。いいか、目的は機体が動かないようにすること。頭部を破壊すれば大抵は動きが止まる。その次は腕……」



 それは飛ぶ指示……


 翔さんは、僕らの司令塔となり、そして、翔さんは僕らのリーダーとなる。もう少ししたら正式に、任命を受けることになる。それは明日? それともこの任務が終わった時なのかな? 三位一体となった四季折々の動きは、速いのだ。通常の三倍ほど。


 そのため不利となるのだ、


 人型形態になったことが。するとどうだろう? みるみるうちに、僕の脳内で描かれたエッセイを、銃に変換して、命中する。相手側の機体の顔を破壊していった。


 悉くも、悉くも……


 止まる戦いの波。それも綺麗にするために、磨きもかける。……知ってあげてるの。

 何もしないよりも、僕は学園生活への道程を、カラフルに仕立ててみせる。



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