第三十三回 回復を待つ故に。


 ――身も心も。しょうさんは、リハビリに励んでいる。



 思えば、もう一人の主人公と思える翔さん。

 僕が執筆するこの物語の、もう一人の主人公。彼女はキーマンの役割も担っている。



 僕もまた必要としている。僕もまた、足りない部分が数多くある。戦いの経験はもとより、人生の経験も、きっと彼女は波乱万丈で、僕の想像を遥かに超えている。そう感じたのは会った時、放つオーラ―が、それらを物語っていた。だから、僕には必要な存在。


 ――そして僕は願う。形ではなく心から。


 翔さんは、学校に通った記憶が……そう、あまりないと言っていた。



 だからこそ戦いが終わったのなら、一緒に学園に通いたい。翔さんに学園生活を満喫してほしい。……僕がそうしたいから。僕の先輩になってほしいから。出会った頃は、好きになれなかった彼女だけど、彼女のことを知っていくうちに、魅かれる僕がいるの。


 そこで思うことは、

 シャガイって、あと何体いるのだろう?


 沸々と浮かぶ、様々な質問したいこと。その内には、まだ文章化にも満たないものも含まれているけど。それでも一日も早く収束させたいと、そう思う日々。……どんなに経験を積んだとしても、僕はきっと、戦いは好きになれないし、慣れることもしないの。


 翔さんには、


 戦いよりも、学園生活を経験してほしい。


 お勧めしようと思うの。最近はね、声を掛けることにも、そんなに抵抗はなくなった。

 ちょっと怖いと思う時はあるけど、――平気。以前よりかは遥かに気軽に。


「……へえ、リハビリには丁度いいかもな。でも、お前も変わり者だな。自ら俺の後輩になりたいなんてな」と、翔さんは、その気も満々に至っていた。



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