第四章 ――共戦。

第十六回 現る、もう一つの。


 ――世界とでもいうのだろうか?


 攻撃してくるの、数発のミサイルを投下しつつ。


 青と黄で彩られる機体。……飛行形態? 見たこともない機体は可変するの。まさかの人型形態。そのフォルムは僕の機体と似るに似ている。カラーリングが派手で、


 その攻撃はシャガイを狙っているのか? 僕の機体をも巻き添えにしていた。


 機体の警報音が響く中、


可奈かな、機体損傷しちゃったけど、どういうこと?

 シャガイだけじゃなく、僕も狙ってきたんだけど、本当に味方なの?」


梨花りか、違うよ、その機体……

 Plum 014じゃない。すぐ退避して。……何で? 手出さないって約束したのに』


 そこでブツリと、通信が途切れた。


 でも僕は、そこから離れることができなかった。離れたら、飛行形態から可変した謎の機体に、目の当たりのシャガイが……下手すれば殺されてしまう。だから庇うの、意図的にではないけど、自然と行動がそうなってしまう。シャガイを見捨てられないから。


 すると、謎の機体の……


 刃。ブレイドとでもいうのか、僕の機体の背を斬りつけた。そのブレイドはビーム式のようだ。焦げる匂いが鼻につく。機体の装甲を破り、その中の肌を焼いているから。


 機体は悲鳴を上げる。痛々しい悲鳴が耳に纏わりつく。


 すると、聞こえてきたの。目の当たりにいる、謎の機体を操るパイロットの声が、


「どけ! 鬱陶しい!

 シャガイは人類の敵なんだ。邪魔するなら、お前も纏めて斬るぞ」


 との怒鳴り声。スピーカー越しに。ハスキーヴォイスが特徴の……女性のようだ。何ものかは知らないけど、


「どかない。……何で決めちゃうの? 人類の敵っだって?」


 と言い放つ、僕は。シャガイにだって攻撃せざるを得ない理由があると思うから。



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