第十二回 ロボットについて。


 ――それは、どうして僕が、ロボットを操縦しているのか?



 確かにロボットは大好きだ。そのジャンルのアニメも特撮版も、ユーチューブなどで時代を超えて大好き。バンプラも大好き。小さい頃のように、玩具遊びもたまにする。


 可奈かなとは、その話題からお友達になった。


「だったら見てみない? 実際のロボット」


 そのお誘いがキッカケだったような……気がするの。少し、頭が痛い。……思い出せないの。僕がロボットを操縦するまでの経緯。いきなり乗っていたの、古代遺跡ともなる機体に。そこに赤い目をした全身が白銀の巨人が、攻撃してきた、大きく鋭い長い爪。



 ……戦うこと。


 そんな経験なんて、どうして操縦したかも覚えてない。乗った経緯……そこだけがスッポリ抜けている記憶。まるで盗まれたように? 将又、書き換えられたの?


 ――僕の記憶。


 ベッドから出て病院の……まさか、そんなことないよ。研究所の一室だ。秘密を知った者は消されるの。僕がまだ研究員だから、極秘事項を持っていても消されないだけ。


 なら、いっそのこと消されたい。


 ロボットを操縦も、戦たことも。……だから、渾身の力でシャルロットさんの腹部に拳を叩きこんだ。所謂腹パンだ。華麗なまでに気絶した。これによって僕は、病室を後にした。脱出をも試みるのだけど、……どうせなら知りたいの。


 僕がロボットに乗った経緯。

 そして何故、戦わなきゃいけないのかを。


 その後でね、場合によっては、譬え可奈が相手でも戦う覚悟だ。ここでの可奈は、格闘術を身に着けている。千佳ちかが℮スポで格闘技を振る舞うのと匹敵する程。千佳は、とある大会、ウメチカ戦と呼ばれる大会の優勝経験者だ。……と、いうことで、心して探るの。



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