第三章 ――極秘。
第十一回 僕の、戦う理由は。
――それさえも、考えられない状況。
コクピット内は……説明するも悲惨な光景。
アニメのロボットものとは、大違いなものだった。上からも下からも泣いている僕。それに胃液まで吐いていた。先程の戦闘が、僕に与えたダメージを証明していた。
第一発見者は
「
という、記憶の片隅に残っている可奈の言葉。戦闘のことでだ。白銀の敵を咄嗟のサンダーブレイクで焼き殺した件だ。……殺したの。白銀の敵は、やっぱり人間に近いの。十メートルの巨人。白銀の肌。男女の区別があって、生殖機能も持っている。子の育み方も何ら人間と変わらず、違いなんてないと思う。僕ら人と、何が違うの?
「僕は、殺したんだよ! でも、殺されそうになったんだよ! 怖かったの……怖かったんだよ、とても! 可奈に何がわかるの? もう、こんなのやだ……」
そこで途切れた記憶。
でも、残る記憶……のたうち回る白銀の敵。僕がお腹に穴を空けたから。死にたくないと訴える赤い目。なら、僕は何のために戦っているの? 研究のためなら、殺すことなんてないのに、白銀の敵は何で、僕を襲ってきたの? 僕は何もしていなかったのに?
暗闇の中、僅かばかりの意識の中で繰り返される自問自答。
何もかもが怖くて……
このまま、このまま眠り続けたい。目覚めたら、シャルロットさんがいた。
「ここは?」
医務室ではない? 規模の大きい病院? 色んな器具が、僕の身体に装着されていた。
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