第七回 それは科学の力なの。


 ――それに相応しくも、白衣の人間たちが語りの場に集う。つまりは会議のことだ。



 それはそれは、僕には踏み込めないような……

 大人の世界。現在の政界のように混乱極まれり。


 でも、たった一人。北川きたがわ博士だけは、他の大人たちと違う。大人といえども大人とは異なる異端児ともいえるのか。北川博士という一つのビッグな個性が、激震を起こすの。



 そのことについては、同じ白衣の可奈かなを交える。


 若干十五歳ではあるけど、一歩も退かない覚悟。その覚悟こそが、電光石火の開発を生み出す。それは新たなる『四季折々しきおりおり』についてだ。可変タイプのスーパーロボットだ。


 前の量産機からは、遥かなる改良を加えられた。


「――見たまえ!」


 との、ロボットものでは博士の、盛り上がりを含む台詞。そして心躍るその全貌が、今明らかとなる。僕も見ることになる改良を加えられ、新たに蘇った我が機体。


 そのスペックは、

 全高は九・八七メートル。それは人型タイプ時。重量は、以前と同じく内緒とする。


 可変は三タイプ。まずは水上バイクともいえる、所謂ボート型。……それから中間形態ともいえる水陸両用タイプ。ボート型に脚が出現する形状。その走行模様は、鶏のようなの。或いはダチョウともいえる。そして人型に。でも、そのフォルムはもう……


 以前とは異なる程に、人型だ。


 そして語る可奈……


梨花りか、白銀の敵のスペックを可能な限り分析したら、この様な形状になったの。つまりは白銀の敵に対抗するためにね、筋肉も心臓も、脳も……取り入れたの、この機体に」


 なので、プロトタイプの機体。しかしまた、警報音がこの基地を包む。研究所イコール基地なの。海の上に浮かぶ母艦。そこに迫りくる再びの、――白銀の敵のその姿が。



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