第二章 ――航海。
第六回 それは旅立ちの海へ。
――後悔の文字は朝シャンで、
一時の悪夢のようにも思える戦闘シーン。未確認生物の白銀の敵は何処から?
それは海から。まだその程度の情報のみ。夢に出てくることも屡々。心成しか嫌な汗も一緒に流れるの。シャワーとともに排水口の向こうまで。赤く光る眼。刺々しい歯に、鋭く長い爪。それが、僕が見た白銀の敵。フォルムは人型。機体よりも大きいサイズ……
「
と、優しく声を掛けてくれる千佳。エッセイに対しても、こんなことも言っていたの。
『辛かったら、休んでもいいんだよ』
この戦闘に挑んで……というよりも、どちらかといえば巻き込まれた。元々は機体の動作テストのために搭乗しただけなのに、突然に海から、白銀の敵が襲ってきた。
何故に襲ってくるのか? その原因は未だ解明はされずに、それ以前に、あまりにも少なすぎる情報量。なので、その調査を今後の課題として命じられた。そこの研究所の博士から。僕らの前に現れて、名乗ったのだ。
北川博士は、白衣に白髪を後ろで束ねた御婆ちゃん。還暦は、もう過ぎたとも言われている。誰が言ったのか? 他でもない愛娘の
僕らよりも目上の御方。
そして直属の隊長なの。北川はもう旧姓で、
ショートボブで、その……特徴的な丸いフォルム。あくまでポッチャリなの。それ以上言ったら、間違いなく瞬殺されそうな勢いだ。機体の操縦も熟練レベルで『タイガー』という異名を持つ。それほどの専用の機体をお持ちなのだ。
なので、その機体にお目に懸かれる日を期待をしつつ、僕は千佳と一緒に一先ずの、日常に戻る。――しかしながらもう、僕らの航海は始まっているようなのだ。
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