第3話 『ねこママの出自の謎』
『姉妹とは言っても、おたがいオス親のことは知らないにゃ。』
ぶちママが言いました。
『まあ、珍しいことじゃない、にゃん。のらだからにゃん。』
『だって、立派なお店に、秘密基地があるんだろう。のら、じゃないさ。』
『にゃんこ。まあ、賃貸料なしにゃん。えらそには、できないにゃん。』
『賃貸料払ってるにゃんは、見たことない。ごきもだけど。』
『はとも、からすも。ぽ。』
『いっしょにするな、かあ〰️〰️〰️〰️!』
『まあ、まあ、にゃん。やましんさんは、好い人にゃん。』
『それは、経験上、あまり、良い意味だったことないなあ。良い人は、出世しない。トスカニーニさんは、良い人なんか、バカだとか言っていたような。』
『出世が、世渡りの全てじゃないにゃん。』
『まあね。ときに、ねこママは、どこらか来たのかな。』
『まあね。話せば、たいして長くはないにゃん。女王さんは、たぶん、下総あたりの出にゃん。』
『あらま。あなたは?』
『あたしは、海の反対側にゃん。道路ができて、渡りやすくなったにゃん。』
『そらまた、けっけう、離れてますな。』
『まあにゃん。母さんは、放浪にゃんだったにゃん。』
『放浪にゃんか。なんか、イメージできそうな、できなさそうな。』
ぶちママは、コップを、右手でくるくると磨きながら、はるか遠くを、見たのです。
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