8話 ゲーム

「ねぇ、よーやん、あのおじさんが言ってたことどう思う?」

「信じるしかねぇよ………」


『この子のユーザーネーム、ムスカリって花の名前だよ、確かこのあたりだと…一丁目の鉢嶺公園はちみねこうえんに咲いてたな。その子が投身自殺をしようとしてるなら、そこなら高台の公園だ、だからそこにいるんじゃないのか?』


「でもここから10分はかかるよ?」

「法律内での話…だろ?」

「ッー!!!わーったよ!舌噛むなよ!!」

グァロロロロ!!!!

「わっぷ!いくぞ!」


「ついた!人影は?」

どこだ!?どこにいる!?

「ない…」

「あぁ?」

「いない…」

いや!そんなはず!

ッ!?

「どうしたのよーやん!?」

「反対側だ!!」

「え?!」

「おい!涼ッ!!バイク借りるぞ!!!」

「えぇぇぇ!!!?」

この公園ガキのとき、涼と来てたからわかるぞ!

間に合え!!!!!!!!!!!




「お母さん、私もそっちに行くから待っててね………やっぱり最後にコメントしてくれた人に感謝しないと………」


Muscari@人生サ終

コメ欄のみんな、最後まで面白い話ありがとう


(やばい!よーやん!間に合え!)


落ちながら見る景色は思った以上にゆっくり進んでいった。

(案外やり残したことあったなぁ…カナダでオーロラ…ありだったかもね)

風を切る音、街を行く人、バイクの光

え?

「トドけぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!」


(うそ)


「平凡!?ハハッ!いいじゃねぇか!生きてることがクソ平凡じゃねぇよ!目的が終わるまで死ねねぇ!平凡ってタイトルの人生ゲームじゃねぇかよ!!」


「つかまえ………たぁっ!!!」

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