最終話 藍瓶花と幸福
(明るい)
「よーやん起きた?」
(病院か)
「………あの女は?」
「寝てるよ…」
「怒ってんな…バイク悪かったな」
そう言うと涼は黙った。
「バイクはまた頑張って買えばいい…」
「………じゃ」
「僕は、なんであんな無茶なことをしたことに怒ってる。」
「でも、成功したじゃねぇか」
「じゃあもしあの時失敗したら?」
「何が言いてぇんだよ」
「あの時失敗してたらッ!あの子も助けられずに、よーやんも死んでたかもしれないんだよッ!?」
(………)
「そしたら、僕一人になっちゃうじゃん………」
こんな涼、初めて見た
「あみ姉も、あみ姉も悲しんじゃうよ」
そうだよな
「悪かった。」
「うん。わかってくれてありがとう」
「それで、俺からお願いがある」
「おはようございます。
あれ?なんで?
「生きてるの?」
「男の子二人があなたを助けてくれたんですよ?」
そう言われた。そこから今までのことを聞いた。
私はバイクで飛んできた人に掴まれて落ちたらしい、でも木がクッションになり、私は軽い打ち身、助けてくれた人は私の下敷きになり、左足を骨折したが命に別状はないらしい。ただ驚いたのは私の自殺は、誤って落下してしまったことになっていた。
(なんで自殺になってないの?)
「いた」
後ろを振り返ると左足に包帯を巻きつけ、松葉杖をついている少し目つきの悪い青年と、金髪の明るそうな青年が立っていた。
「あんただなMuscari、いや、夢花は」
すぐに気づいた、彼らが私の自殺を止めた人物だということに
「なんで私の自殺が誤って落下したことになってるの?なんで私を助けたの?ねぇ!なんでっ!?教えてよッ!」
その声は晴天の空に鳴り響いた
そう言うと目つきの悪い青年は笑った
「ははっ!簡単だよ、この目の前にいる馬鹿が死ぬって分かってて、本当に死なれたらクソ目覚めが悪いからだよ」
「そんなんでッ!私の自殺を止めな」
「母親が…自分のせいで死んだから死ぬ?そんでもって、死ぬ前にみんなの話を聞きてぇ?頭弱すぎんだろ。いろんな人が言ってるからよ説得力ねぇけどよ、死んで何になる?不幸だって感じるなら、幸せを探しに行けばいいだろ」
「俺らは亡くなった姉さんの分も幸せに生きていかねぇとなんだ。あんたも死んだ母親の分の幸せを生きようぜ」
その一言で十分だった。
「ありがとう、確かに馬鹿な理由だったね。そうだね、じゃあ責任取ってスイスにオーロラ見に行きましょう!」
「…そうだな」「…そうだね」
そのあとに言った言葉は全員同じだった
「行こう!」
「ねぇ、よーやん夢花ちゃんのユーザーネームのムスカリについて調べてみたんだ」
「ん?」
「漢字で書くと藍瓶花、花言葉は、絶望、失意って意味で、多分それで夢花ちゃん選んだんだろうけど」
「なんだよ、ためんなよ」
「明るい未来、通じ合う心っていう意味もあるんだって」
「…まさかな」
Muscari@スイス旅行中!
スイス旅行最終日!
お目当てのオーロラ、よーくんと涼くんたちと見れました!
美味しいものも食べれて幸せでした!
次はアメリカのハリウッド行きたいな!
3年前はありがとう!
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