第2話 ブス、デブ、ゲスは嫌い!

2.ブス、デブ、ゲスは嫌い!


 清少納言さまの嫌いなものに、ブサイクなものがありますね。


 第三十段には、次の通り。


現代訳(のようなもの)

  説教をする講師は、

  イケメンに限りますよね。

  イケメン講師の顔を、

  しっかり見守ってこそ、

  その説法の有難さもでてくるものですわ。


  よそ見をしていると、

  すぐに忘れてしますので、

  顔の悪い講師の説法を聞くと、

  説法をちゃんと聞けずに、

  (不信仰の)罪を犯してしまうような気分になるのですわ。


  いやいや、こんなことは書くべきではありませんね(笑)


  私も、若いころは、

  この様なことを平気で書いたかもしれませんが、

  今となっては、仏罰の罪が恐ろしくて、書けませんわ!

  (でも、しっかり、書いておりますね)


  また、説法は有難いものだ!

  私は信仰心が厚いのだ! と言って、

  説経と聞けば、飛んで行って、

  坐り込むような人は、

  まあ、あれですね……


  罪深いワタクシのような者には、

  そこまでしなくても良いのではと、

  思ってしまいますわ(おほほ)


原文

  説経の講師は顔よき。

  講師の顔を、つとまもらへたるこそ、

  その説くことの尊さも覚ゆれ。


  ひが目しつれば、ふと忘るるに、

  にくげなるは罪や得らむと覚ゆ。

  このことは、とどむべし。

  少し齢などのよろしきほどは、

  かやうの罪得がたのことは、

  かき出でけめ。今は罪いと恐ろし。


  また、尊きこと、道心多かりとて、

  説経すといふ所ごとに、

  最初に行きゐるこそ、

  なほ、この罪の心には、

  いとさしもあらで、と見ゆれ。



 では、現代訳で見ていきましょう!


 なんと、おそろしや!?


 これ、かなり恐ろしいことを書いていますね。


 第1段落の、イケメン講師の話は楽しいというのはわかります。

 誰しも経験していると思います(^_-)-☆


 第2段落ですけど、講師の「顔が良くない」と、「よそ見をして、忘れてしまう」そうですよ。

 いや、たまに講師業をする身としては、恐ろしい話です。


 うろ覚えですが、清少納言さまが、確か、説法会に行った際、太めの男性が汗をかきながら、説法をしていたらしいのです。

 それ以来、太めの汗かきの男性が嫌いになったらしいという話を聞いた覚えがあるのですが、何かの間違いでしょうか???

 ご存じの方、ご連絡お願いします!?


 やはり、ダイエットは必要です!



 それと、説法と聞けば飛んでいく人がいたそうですが、まあ、今も昔も……

 って、やつですかね?


 突っ込みどころ満載の本段ですが、次に蔵人の五位以下が、ゲスなことをしている。ゲスだけに! と続いていきます。


 どうやら、清少納言さまは、ブサイク、デブ、ゲスは、お嫌いだったようです。



 次回の「をかし」は、「年寄りくさい」話でも、いただきましょうか?




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