妊活主婦が抱えていた夫への不満
ある30代後半の妊活女性が夫には言えない悩みを抱えていた。
大学時代に交際していた元カレは一人暮らしの彼女の部屋に遊びに来ると、毎回彼女を抱いていた。
でもその元カレとは就職がきっかけで疎遠になり自然消滅。
結婚した40代の夫は元カレよりもセックスの回数が少ない。
彼女は結婚して一緒に生活を始めたら、ラブラブなセックスライフを期待していたので、このガッカリ感はハンパなかった。
そんな夫に失望した彼女はこのままでは子供ができないかもしれないと悩み、妊活を開始することにした。
彼女の一番の不満は若いときに交際していた元カレと比較すると夫が淡泊なことだった。
でもそれは夫には言えない悩み。
彼女は心の中でそんな夫に歯がゆい思いを抱いていた。
ところが、あるとき彼女は自分が一方的に夫を責めていたことに気が付いた。
子持ちの友人にこのことを打ち明けると「それ当たり前だよ。」と言われたのだ。
自由な遊び時間のたっぷりあるお気楽な大学生と、中堅の責任ある立場で毎日激務の40代の夫。
どっちがたいへんかと言われたら後者。
若いほうが精子の作られるスピードは速いから精力が強いのは前者。
大学生の元カレと40代の夫を比較し、夫に大学生男子と同じレベルを求めるのは酷である。
それともう一つ彼女には大事な意識が欠落していると。
それは自分が年をとっている現実である。
男性からするとピチピチに若いお肌の女子大生と、アラフォーの年相応の肌の女性、毎日どっちとやりたいか? と聞かれたらたいていの男は女子大生と言うだろう。
彼女は友人から、結婚している40代の夫は30代後半の今のあなたに相応しいちょうどいいお相手だと。
でも彼女は自分は大学生のときよりも20年近く年をとっているにも関わらず、結婚相手には20歳くらい年下の元カレと同じレベルを求めている、その心のギャップが不満の原因なのではないか? と指摘されたのだ。
彼女は、夫が元カレよりも淡泊であることを責めるのではなく、自分が年をとった部分だけ若いときよりも魅力がなくなっているのが問題なのだと反省した。
そのときから彼女の運命は好転し始めた。
彼女は夫に不満を持つのではなく、若いときよりも体型が崩れ、お肌のツヤがなくなっていることを悔い改め、毎日ウォーキングをし、熱めのお風呂に入ってダイエットに心がけ、20代のときのようにというのは難しくても少しでも若いときの状態に近づけるように努力を始めた。
夫ではなく、自分を変えていこうと努力の方向性をチェンジした彼女は劇的に変化し、そんな妻に魅力を感じた夫は以前よりも積極的になった。
彼女はほどなく子供を授かった。
彼女は言う。
夫を責めてばかりのときは全然赤ちゃんができないどころか、自分の根底にある夫への不満が原因でよくすれ違いが起こっていた。
でも、責めれば責めるほど悪い方向にいってしまった。
彼女は気付いたと。
元カレは自分をたくさん抱いてくれた。
でもそれは彼がちょっとアルバイトをしている程度の暇人の学生だったから。
彼女が今、不自由なく結婚生活を送れているのは、仕事が忙しい夫がいるおかげであって、ただのアルバイトの学生だったら、結婚すべきかそもそも考える。
仕事を頑張ってくれている夫への感謝の気持ち。
そこに目を向けられたとき、赤ちゃんがお腹の中にいることを知ったそうだ。
コウノトリは感謝の心で引き寄せるものなのかもしれない。
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