付記 「文学のふるさと」安吾の『牧野さんの死』
第二次世界大戦後に『堕落論』・『白痴』などで流行作家となった坂口安吾。太平洋戦争の際には、空襲に襲われる東京で、彼は、多数の焼死体を見つめ続けている。
世間的にはほぼ無名の売れない文弱であったろう、昭和11年の安吾は、
「牧野さんの死」という、追悼文を書いている。
旭川のいじめ事件を知った後、僕は、本作を読み返してみた。
【青空文庫版】牧野さんの死
https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42982_21269.html
作中の以下の一文がある。
《彼の夢が彼の「人生を殺した」のだ。》
そう、安吾と同じく売れない作家だった牧野さんは、詩を愛し、詩的な感性で小説に挑んでいた。鋭敏となった感性が、人を自死においやることはある。
また、次の一文もある。
《自殺の日、生憎瀬戸君が留守だつた。もし瀬戸君がゐたら、気がまぎれて死ななかつたらう》
そう、そばにいてくれるだけでも良い。それだけで、自死を思い留められることもある。
《ゴシップ的な世評で彼の死がけがされてはいけないといふ思ひがあつて》
安吾は、このように書いた。
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集団でのいじめにより、彼女の感性を汚してはならなかった。
集団でのいじめにより、彼女を孤立させてはならなかった。
ゆえに、僕はいじめ問題に対し、立法による解決を目指すべきと考えるようになっています。
「文弱」のための法律論&立法論 ~ 学校教育の場での悲劇をこれ以上繰り返さないために。 十夜永ソフィア零 @e-a-st
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