第41話「第一部までの登場人物紹介」

――主人公


 ケイン Dランク冒険者 三十五歳。


 善良だけが取り柄の主人公。


 クコ山で二十年間地道に薬草を摘み続ける万年Dランクのおっさん冒険者である。


 Dランク止まりの冒険者は、たいてい才能がなかったものと早々に引退してしまうため、ケインの存在はレアケース。


 冒険者仲間からは、半ば呆れ、半ば嘲笑的に『薬草狩りのケイン』と呼ばれている。


 一方で、分が悪い薬草狩りの仕事をケインが安定して引き受けてくれるため、冒険者ギルドからの好感度は極めて高い。


 クコ山を頼りに生活しているクコ村の住人は、よそ者である冒険者からは距離をおいているが、ケインだけは村の仲間として受け入れている。


 ケインはもともと街の教会の孤児院出身で、分が悪い薬草狩りにこだわるのも、ポーション作りを収入にしている教会の経営を助けるためでもあった。


 この物語は、ケインがいつもの薬草採取の途中で幸運にも、超レアアイテム『蘇生の実』を手に入れるところから始まる。


――Sランクパーティー『高所に咲く薔薇乙女団』


 アナストレア・アルミリオン 神速の剣姫 十五歳。


 燃えるような赤髪で貧乳。


 アルミリオン大公爵家の二女でありながら、天才的な剣の使い手であり、Sランクパーティーの切り込み役。


 その剣の腕は、各種流派の免許皆伝を瞬く間に取得した後、我流の神速剣を極める域に達している。


 剣姫けんきアナストレアと言えば、王国で知らぬ者がいないほど有名であり。


 王位継承権第八位の資格を持つ本物の姫である。


 愛称はアナ姫。


 使用武器は、王家に伝わる『不滅の刃デュランダーナ』。


 ロングソードで、王家の紋章が刻まれた白金の柄には主神オーディアの加護が宿り、世界に三本しかない神剣の一つである。


 セフィリア・クレメンス 純真の聖女 十三歳


 光り輝くキラキラした長い金髪に碧い眼。まだ若いため背は低いが、とんでもなく大きな巨乳(ゆえに、年齢より大人びて見られることもある)。


 主神である光の神オーディアに仕える聖女である。


 その神聖魔法力は強く、通常の神官が使える治療魔法や浄化魔法に加えて、全方位回復魔法オールライトヒーリングや、主神の声を聞くこと、主神オーディアの御威光を顕現させることすら可能である。


 先の悪神との戦いにおいて、命を懸けて邪神を封じ込めて一度死亡している。


 一年前まで修道院に暮らしており、冒険しか知らない清らかな聖女であるため、性的なことは何も知らないど天然。


 人と接する機会が少なかったため、寡黙で舌っ足らずなところがある。


 その分だけ、たまに暴走したりリアクションが激しかったりする。


 ちなみに父、レギウス・クレメンスは王都で最高司祭(宗教界の最高権力者)を務めている。聖女である娘には極めて甘い。


 口調は、運命って言葉をよく使う。セフィリアの信条なのかも。


 マヤ・リーン 万能の魔女 十七歳


 紫のショートヘア、瞳も紫。おっぱいのサイズは普通。


 伝説の大賢者ダナ・リーンの愛娘。


 万能の魔女と呼ばれ、ほぼ全種類の通常魔法を会得。


 特異魔法である創成クリエイトの魔法は文字通りなんでも作れる(素材がある場合に限る)。


 そのため、剣姫と聖女以外の大抵の職業の代わりを一手に担っている。


 普通の魔法使いとしての実力も高く、数年中に大賢者の称号を継ぐと言われている。


 パーティメンバーはボケばっかりなので、お姉さんとしてツッコミ役をやることが多い。


 ちなみに身分の高い剣姫や聖女が自由に冒険者をやれているのは、王とも対等に話ができる大賢者が口利きしたからである。


 だから彼女が『高所に咲く薔薇乙女団』のリーダーをやっているのだ。


 可愛い女の子が好きで、最強の美少女を集めてお茶会をやるのがマヤの野望。育て親の大賢者以外の男に興味はない。


 パーティーにおっさんのケインが入ってくるという話は正直迷惑している。


 口調 ウチ なんでやねん アホか 西方サカイ訛。


 善神アルテナ 山の神様となったかつての戦友、姿は十六歳のまま


 生前は赤髪だったが、透き通るような金髪になっている。


 その存在はまだ不安定で、顕現する力が弱いときは、幽霊のように身体は半ば透き通っている。


 二十年前にケインをかばって死んだ女冒険者。


 現在はケインが立てた神像によって、クコ山にさまよえるアルテナの魂が神化した存在。


 唯一の信者であったケインにその存在を依存しており、ケインが善行を重ねて多くの人から感謝されることによってその力を増す。


 いつも主人公を見守っており、その最初の恩返しが『蘇生の実』を生やすことであった。


――教会の孤児院


 シスター・シルヴィア・リングストーン 推定年齢は、少なくとも二百歳(歳を聞くと怒る)


 美しく長い銀髪に、神秘的な銀色の瞳。


 長い耳と寿命を持つ彼女は、ハイエルフ。


 エルンの街の教会のシスターで、孤児たちの肝っ玉母さんでもある。


 ケインのことは、いつまでも子供だと思ってるフシがある。


 ミーヤ 孤児の女の子 八歳。


 猫妖精ケットシーの血が少し入っている猫耳少女。


 髪の毛は明るいオレンジ色。


 手先が器用で、お裁縫が得意。


 性格は快活でおしゃま。


 ドライフルーツをくれるケインが大好き(食いしん坊で結構現金)。


 キッド 孤児の男の子 十三歳。


 男の子たちのリーダー。


 群青色ぐんじょういろの短髪の彼にも、狼人族ワーウルフの特徴のシャープな狼耳が生えている。


 女の子かと見紛みまがうほどの美貌と、多彩な才能に恵まれ、ケインは孤児の中ではキッドが一番出世すると考えている。


――『双頭の毒蛇団』


 スネークヘッド 三十歳。


 スキンヘッドの悪漢。法律のグレーゾーンで悪さをするエルンの街の闇を支配するファミリー『双頭の毒蛇団』のボスで、Aランクの二刀剣士ディマカエリ。


 二本の刀によって繰り出される居合イアイの技を得意とするエルンの街でも一、二を争う実力の剣士。


 刀と呼ばれる東方の美術品レベルにまで研ぎ澄まされた片刃の剣と、スネークヘッドの異常なまでの膂力りょりょくが可能にした豪剣であり、これを受けたものでこれまで立っていたものはいない。


 さらに用心深いスネークヘッドは、仕込み刀の三本目の毒刀を奥の手としている。


 スネークヘッドはエルンの街で使っている偽名であり、本名は誰も知らない。東方で何か事件を起こしてアウストリア王国まで逃げてきたという話である。


 カーズ 三十六歳。


 ずんぐりむっくりのおっさん。ベテランのCクラス冒険者。悪漢。


 冒険者は修羅を信条とし、ケインの生き方に自分を否定されたような気がして逆恨みから、ケインの大事にしている教会を潰そうと企む。


 それが、結果として自身の破滅を招き、『双頭の毒蛇団』の壊滅ともなった。


 ジンクス 二十二歳。


 金髪のチンピラ。Cクラスになりたての冒険者。


 調子に乗りすぎて活躍する前に死んでしまった。


――クコ村


 ヨルク クコ村の木こり。五十すぎの初老。


 茶色の髪にも頬髭にも、白いものがだいぶ混じっている。ちなみに、ヨルクの倅はエルンの街で大工をしている。


 カチア ヨルクの孫娘。まだ幼い子供。


 ホルト 白髭の村長。とうに六十を過ぎている。クコ村の長老。


 ダン 大工の棟梁 四十過ぎ。


 がっしりしてる。


 トルフ 家具屋 三十過ぎ。


 ちょっとお調子者だが、クコ村で細かい木工細工が一番得意。


――Cランクパーティー『熊殺しの戦士団』


 ランドル 『熊殺しの戦士団』のリーダー。三十二歳。


 ケインが見上げるほどの巨漢で、茶髪を刈りあげて強面だが、性格は温厚で優しい男。


 斧戦士の彼は、熊殺しと銘の入った自慢の大斧でビッグベアーを一人で倒したこともある猛者だ。


 見た目より実は若い。


――Aランクパーティー『流星を追う者たち』


 アベル Aランクの英雄剣士。『流星を追う者たち』のリーダー。十九歳(もうすぐ二十歳)


 ツンツンした髪型の青髪、いかにも主人公な感じの青年。


 エルンの街最強の剣士であり英雄を自称している。実際は、スネークヘッドにやや劣るあたりか。


 ただ、若い分だけアベルには伸びしろがあるし、本人も本当の英雄になるべく懸命に努力している。


 ケインを、実は強いと勘違いしてライバル視する。


 アベルが腰に差している堕ちてきた流星で作られたと伝えられる流星剣は、Aランクパーティーの名の由来にもなっている。


 キサラ 女盗賊。十八歳。


 クリクリっとした碧い瞳が可愛らしい、少しボーイッシュな感じ。水色髪のボブショートの女盗賊。


 気さくな性格で好奇心旺盛、お調子者でおっちょこちょいな欠点もある。


 クルツ Aランク魔法使い 二十一歳。


 瓶底メガネの黒髪の魔法使い。小柄で、たくさんの魔導書を背中に背負っていることから、動く図書館と言われている。


 王国の魔法学園を次席で卒業したエリートだが知識欲が旺盛で、実践的に知識を生かせる冒険者の道を選んだ。


――エルンの街の参事会議員


 ウォルター・ローレンツ エルンの街の参事会議長 四十二歳。


 灰色の髪を撫で付けている紳士。


 エルンの街の最高権力者である政治家。


 ロナルド エルンの街の参事会議員。 六十歳。


 頑固で偏屈な白髪の老人。


 街の名士であり、昔からの大地主。街の参事会では長老派の代表格。


 あまりとっつきは良くないが、大地主で教会に多額の寄付をしている篤志家でもある。


 若いころは、ケインを含めた孤児院の子供達にお菓子を配ったりもしていた。実はとても優しい老人。


――冒険者ギルド


 エレナ・チェーン 受付嬢 二十八歳


 色気ムンムンのお姉さん。桃色の長い巻き髪に、碧い瞳、谷間の見える巨乳。


 すでに二十代後半だが、二十代前半ぐらい若く見える。


 荒くれ者の冒険者達を上手く操縦できるほど高いコミュ力をもっているが、アナストレアに色気ピンクオバサンと言われるとさすがに怒る。


 駆け出しの受付嬢の頃、恋人未満ぐらいまで親しくなった冒険者が消えて(違う街に行った可能性もあるが、誠実な人だったので黙って消えることは考えられず、おそらく亡くなってる)から冒険者とは付き合わないと決めている。


 仕事がリアリストな分、恋愛はロマンティストなところがある。


 そのおかげでちょっと奥手になってしまっているかも。


 ゲオルグ エルンの街の冒険者ギルドの長。年齢は五十すぎ。


 大柄なゲオルグは、すでに五十を過ぎて冒険者を引退しているが、元は屈強なAランクの戦士でもある。


 有事になれば黒馬に飛び乗り、大剣を振るう。


 早めの引退だったため、その実力はいまだ衰えを見せない。


――アウストリア王国


 モンド伯爵 紋章院長官。 三十八歳。


 王国人事を司る官僚である紋章官のトップであるため絶大な権力を持つ。


 よく言えば保守派、悪く言えば頭が固い。


 情実に流されない律義者のため、大宰相マゼランに信任され、片腕にもなっている。


 登場が剣姫相手のときだけなので、全然権力者に見えないけど王国政府の重鎮で、普通の伯爵よりは数段上の権力者。


 マゼラン公爵 王国宰相 五十五歳。


 威厳のある焦げ茶色の口ひげ。


 政治的には王権の強化を進め、経済的には交易を重視する重商主義を取り、有能な官僚を多数登用して強大な王国政府を支える。


 その政策は、王国の経済的発展をもたらし『大宰相』とも呼び習わされる大人物。


 ディートリヒ・アウストリア・アリオス 四十歳。


 アウストリア王国の国王。


 大宰相マゼランを重用して、国を繁栄させている名君として有名である。


 国王から見れば剣姫アナストレアは、姪っ子にあたる。


 横暴な剣姫が頭があがらない数少ない人物の一人。


――

 悪神 ???

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る