第5話 仲間っていいな
仲間集めは順調に進んで言った。
戦力は、オーガとオークが4匹。ウルフは3匹。つがいや子供を●したり、監禁したりしている為少し数が減ってしまった。
群れの数も増え、そろそろ制御が難しく感じる数になった。
「えー、それでは、作戦を説明したいと思います」
ベックの考える事は全てわかる。
オレたちがまだ仲間だった時に金がなかった為、オレが追放を宣言された街『ベーレン』にしばらく滞在することになっていた。
つまり、ベーレンから近いこの森の中で魔物の動きがあれば、街のギルドマスターが依頼を出し、ベックが来る可能性がある。
そして、その依頼が危険で、女子供が犠牲になれば正義感の強いベックは必ず来る。
「と、言うわけで、皆さんには今から来る馬車を襲ってもらいます」
ベーレンから他の街への馬車は沢山出ている。
その馬車には大抵、冒険者が護衛として乗っているが今の戦力なら問題ないだろう。
「ちなみに皆さんが死んだ場合、人質はオレが責任を持って●すので本気で戦って下さい」
ベックが仲間だった頃、戦いの前にこうして指揮を上げる事があった。今となっては懐かしい記憶だ。
「仲間同士で争ったり、自分だけ生き残る為に戦いから逃げ出した場合も●します」
オレの言葉は魔物たちの意欲を上げる事に成功した様だった。
馬車はすぐに通ってきた。小さな馬車だ。
合図を送ると、ウルフが走り出した。
馬を脅すか、●せ、と命令した通りに動いてくれている。怯えた馬が暴れたせいで馬車が倒れたのもすごく良い。
倒れた馬車の周りを即座に囲んだのは他の魔物達全てだ。
オークとゴブリンが少し遅れているものの、作戦通り行っている。
倒れた馬車から顔を出した商人や冒険者が武器を構える時間を与えず、魔物達は人間を●す。
その景色を眺めながら「仲間っていいなぁ」と呟いていた。
時間を見計らって撤退の合図を出す。まだ生き残っている人間が居るはずだ。
生き残りには街への報告をしてもらう必要がある。
魔物が居なくなった事を不思議に思いながらも、生き残った事を神に感謝しながら地面を這っている。
「生き残りがいてよかった」
この作戦は、人間が全滅するか、馬車に乗った冒険者が強いせいで魔物が全滅しても失敗になる。
今回は上手くいって良かった。
また仲間を探すのは面倒だ。
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